初代「リカちゃん人形」製造 老舗メーカーが破産消費停滞、原価上昇など影響

» 2017年08月02日 18時58分 公開
[ITmedia]

 東京商工リサーチによると、タカラトミーが展開するロングセラー玩具「リカちゃん人形」の初代モデルを製造した人形メーカー「シバ」が7月26日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約4億3000万円。

 1945年に「柴製作所」として創業。セルロイド製人形の製造を開始した。54年にソフトビニール製人形の製造を他社に先駆けて開始すると、玩具メーカーからの人形製造依頼が増加。62年には旧タカラから初代リカちゃん人形の製造依頼を受けた。

photo ロングセラー玩具「リカちゃん人形」=タカラトミー公式サイトより

 国内外に工場を設置し、事業基盤を拡大していたが、91年に国内生産を中止。自社の生産設備を持たず、中国での外注生産に特化したOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーに業態を変更した。

 ピーク時の98年12月期には売上高22億6830万円を計上したが、その後は消費の停滞や同業者との競争などの影響で売り上げが落ち込んでいた。

 近年は金融商品のデリバティブ取引に絡み、多額の損失を計上。本業の人形製造でも中国工場での原価上昇などの影響で資金繰りが悪化しており、再建の見通しが立たないことから事業停止に至ったという。

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