サッポロ、米老舗クラフトビール企業を買収 狙いは?95億円で「Anchor」買収

» 2017年08月03日 17時31分 公開
[ITmedia]

 サッポロホールディングス(HD)は8月3日、クラフトビールの製造・販売を手掛ける米Anchor Brewing Company(Anchor)を買収すると発表した。Anchorは1896年創業の老舗で、所在地の米サンフランシスコを中心に米国全土に多くのファンを持つ。サッポロHDはAnchorの顧客基盤とブランド力を生かし、北米でのビール事業を強化する。

photo Anchor Brewing Companyの公式サイト
photo サッポロHDの公式サイト

 親会社のAnchor Brewers and Distillersから全持分を譲り受ける形で傘下に収める。買収金額は約95億円。

 今後は米現地法人SAPPORO USAが、Anchor製クラフトビールの販売を担っていく予定。

 サッポロHDの広報担当者は「Anchorは約50種類のビールを展開しており、米国で根強い人気を誇っている。5000社を超える米クラフトビール市場でシェア22位に付けており、市場への影響力も高い。マーケティング面などにおいて、SAPPORO USAとのシナジーを創出できると考え、買収を決めた」(コーポレートコミュニケーション部)と買収の理由を話す。

photo Anchorの製品の一部=公式サイトより

 Anchorの2016年度売上高は約37億円、年間販売数量は約175万ケース。Anchorが傘下に加わることにより、SAPPORO USAの年間販売数量は約500万ケースへの拡大を見込む。

photo Anchorの主力製品「ANCHOR STEAM BEER」

 サッポロHDの広報担当者は「創業150周年に当たる26年をゴールとした長期経営ビジョン『SPEED150』を掲げており、その中で北米・東南アジアでの海外事業を注力分野に位置付けている。Anchorの買収を機に、北米でのビール事業をさらに拡大していきたい」と狙いを話している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.