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» 2017年11月21日 07時00分 公開

帰宅時間の「癒やし」に焦点:なぜケーキを飲み物に?「飲むショートケーキ」を飲んでみた

ダイドードリンコは11月28日から、JR東日本の自販機向け新商品「コクGrand time ふって飲む甘美なショートケーキ」を販売する。ビジネスパーソンが帰宅時間に求める「癒やし」需要を狙う。

[加納由希絵,ITmedia]

 ダイドードリンコは11月28日から、新商品「コクGrand time ふって飲む甘美なショートケーキ」の販売を開始する。販売場所は、JR東日本の駅構内に設置している「acure(アキュア)」の自動販売機。ショートケーキのようなデザート感覚を手軽に味わえる商品だというが、缶飲料でどのように表現しているのだろうか。

photo ダイドードリンコがJR東日本の自販機向けに展開する新商品「コクGrand time ふって飲む甘美なショートケーキ」

帰宅時間の「小腹満たし」

 自販機で買う飲料といえば、水やお茶、コーヒーなどが代表的だが、具材が入っていたり、独特の食感があったりする「小腹満たし」の商品も根強い人気がある。コーンスープやおしるこなどは、自販機に並ぶ商品の片隅にあるイメージだが、アキュアを展開するJR東日本ウォータービジネスによると、この「小腹満たし」カテゴリーの売り上げは伸びている。2016年度の売り上げは、2年前の14年度と比べて13.6%増えた。

 小腹満たし商品は売れる時間帯に特徴がある。アキュアの自販機全体では、出勤時間帯の午前7〜9時ごろが販売のピーク。一方、小腹満たしの商品については、午後6〜10時ごろの時間帯に最も売れる。デザート系の商品が多い中で、30〜40代男性もよく購入しているという。仕事終わりに、一息ついてから帰宅したいビジネスパーソンの需要があるようだ。

 需要拡大を背景に、アキュアの自販機で展開する商品ラインアップも拡充している。今夏は自社開発商品の「贅沢バニラミルク」やダイドードリンコの「2つの食感ソーダゼリー」などの販売が好調だった。ダイドーのソーダゼリーは、当初高校生向けに開発したものの、男性ビジネスパーソンから多くの支持を得た。

新しい食感のショートケーキ

 小腹満たしの需要をさらに喚起するための商品として、ダイドーが提案したのが「飲むショートケーキ」だ。デザートとして定番のショートケーキで、小腹満たしや気分転換の需要に対応する。

 提案段階ではフォンダンショコラなどの案もあったが、認知度が高い上に飲料のイメージがないショートケーキが採用された。ダイドーの流通戦略部、篠原剛氏は「変わったスイーツは万人受けが難しく、ターゲットが絞られる。ショートケーキは誰にとっても同じイメージ」と説明する。

photo

 しかし、ショートケーキのイメージを持って缶のふたを開けると、少し面食らう。中身はゼリーが固まっている状態。「ふって飲む」という通り、5回以上缶を振って、ゼリーを崩してから飲む。振る回数によって柔らかさが変わるため、好みの食感に調節することも可能だ。

 実際に飲んでみると、イチゴと生クリームが混ざった味が喉を通り、さりげなくスポンジの甘い香りもする。イチゴは福岡県産「あまおう」、生クリームは北海道産を使用しており、ぜいたく感もある。このように表現するととても甘そうだが、冷たいゼリー状であるため、しつこい甘さはなく、意外とすっきりとした味だった。

photo 中身はゼリー状の液体。振る回数によって食感が変わる

 篠原氏によると、イチゴと生クリームの味、そしてスポンジを表現するカスタードの香りのバランスを調整することに苦労したという。また、食感を左右するゼリーの硬さもハードルだった。口の中に入れたときに、ショートケーキの味と風味を最も再現できるバランスを探した。

 デザートを好みそうな女性だけではなく、男性ビジネスパーソンの気分転換の需要を獲得するという狙いから、パッケージには「高級感のある赤を採用し、男性にも避けられない外観を目指した」(篠原氏)。広報に使用する商品イメージ写真も男性を意識。ケーキをイメージさせる皿とフォーク、コーヒーカップの横に、ネクタイと時計をさりげなく配置した(冒頭写真参照)。自販機の利用が多い男性の支持が鍵になりそうだ。

 価格は、165グラム入りボトル缶で160円(税込)。

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