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» 2017年12月14日 06時00分 公開

“いま”が分かるビジネス塾:AIによる家電制御 “標準仕様”を握る企業はどこだ (1/3)

国内でもAIスピーカーの販売が始まったことで、AIで家電をコントロールするという話が実用段階に入ってきた。だが、この分野は標準規格が確立しておらず状況は混沌としている。

[加谷珪一,ITmedia]

 米Googleが販売している「Google Home」や米Amazon.comの「Amazon Echo」といった会話型AI(人工知能)スピーカーには、家電をAIで制御する仕組みが実装されている。対応する家電製品が少ないことから本格的な利用はまだ難しいが、これも時間の問題だろう。

 東急グループのイッツ・コミュニケーションズはGoogle Homeに対応した家電制御のサービスを開始しており、大和ハウス工業はこのシステムを備えた注文住宅を18年から販売する。

 Google HomeやAmazon Echoとは別の規格を使ったサービスも登場している。賃貸住宅のレオパレス21は、国内のベンチャー企業と提携し、2018年から独自のAIサービスを備えた賃貸住宅を導入する。製品にもよるが、家電の製品サイクルは長いので、一般的なIT製品とは異なり家のスマート化はゆっくりとしたペースで進んでいくだろう。

photo 2017年10月に発売した「Google Home」

 家電とITを結び付ける取り組みは以前から行われてきた。今となっては想像もつかないが、かつてはソニーやパナソニックといった日本メーカーが世界標準を握ると考えられていた時代もあった。家電分野は制御方法が多岐にわたっており、標準化するのはそう簡単ではない。日本の家電メーカーはどちらかというとクローズドな規格を目指していたが、結果的にこれが裏目に出た。

 一方、GoogleやAmazonといったIT企業が提唱する規格は基本的にオープンであり、最終的にはこの2社の仕様が世界標準になろうとしている。だが、オープンな規格であるが故に、互換性の問題など多くの壁を乗り越えなければならない。

 家電の制御と聞くと、家の中にスイッチ類を実装した機器が設置されるとイメージする人もいるかもしれないが、一連のAIサービスの概念は異なる。基本的に各家電製品はWi-Fiなどを通じて個別にネットに接続され、スイッチのオン・オフといった制御は、事業者が管理するクラウド上で行われる(一部、ハブのような形で屋内の家電をとりまとめる装置を設置し、それをWi-Fiに接続するという方法もある)。

 例えばGoogle Homeに対応した家電製品をWi-Fiに接続すると、Google Homeは同一ネットワーク内に対応家電があることを認識し、これを制御の対象とする。アプリ上で名称などを決めれば「○○のスイッチを入れて」などと話しかけることで家電のスイッチをオン・オフできる。だがオン・オフの指示を出しているのは、あくまでGoogleの施設内にあるサーバであって、家庭内に置かれた機器類ではない。

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