ミクシィ、チケキャン終了を正式発表 18年5月末に特損77億円

» 2017年12月27日 15時27分 公開
[ITmedia]

 ミクシィは12月27日、子会社が運営するチケット転売仲介サイト「チケットキャンプ」を2018年5月末で終了すると発表した。商標法違反容疑などで捜査が続いており、チケットの高額転売への批判が高まる状況もあり、事業の存続は難しいと判断した。

photo チケットキャンプは12月7日から停止している

 同事業の終了に伴い、チケキャンを運営する連結子会社、フンザに関連するのれんの償却と固定資産の減損損失として計77億2900万円の特別損失を計上。2019年3月期の連結最終損益を480億円と見込んでいたが、402億円に下方修正する。

 フンザの代表取締役、笹森良氏と、取締役の酒徳千尋氏は、経営責任を明確にするため、27日付で辞任した。フンザの取締役を兼任していたミクシィの森田仁基社長は月額報酬全額を6カ月間自主返納する。

 ミクシィは15年3月にフンザを115億円で買収していた。

「違法との疑念、否定できない」

photo 18年5月末で完全に停止=発表文より

 チケットキャンプは今月、商標法違反容疑などで兵庫県警の捜索を受け、サイトを停止。親会社のミクシィは外部の弁護士らによる調査委員会を設置して事実確認などを進めた。

 フンザは人気アイドルのライブ情報を集めたサイト「ジャニーズ通信」(現在は休止)を運営しており、ジャニーズ事務所の商標を不正利用した疑いがもたれているという。

 27日に公表した調査報告によると、フンザが運営する情報サイトの表示について、調査委は「商標法違反又は不正競争防止法違反の疑念を生じさせるようなものであったことは否定できない」と指摘した。

 その上で、チケットの高額転売が強く非難されるなど社会的な批判が高まる中、強制捜査を受けた事実などを考えると、同サイトを「今後も存続させるか否かを含めて慎重に検討すべき」とした。ミクシィは調査報告に加え、チケット2次流通に関連して捜査機関からの照会などが増えている状況を考慮し、事業存続を断念したとしている。

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