転職市場における2018年上半期(1〜6月)の求人数は17年に引き続き豊富で、転職希望者に有利な売り手市場が続く――人材サービスのパーソルキャリアがこうした予測を発表した。
業種・業界別では、「企画・マーケティング」「電気・機械」「営業」「人事・経理・法務」の4分野で求人が増加するとみている。
企画・マーケティング職では、新規事業立ち上げやデータ分析に携わった経験を持つ人材が高く評価されると予測する。理由は、商品・サービスのライフサイクルが短くなった影響で、他社との事業提携、M&A(企業合併・買収)、海外進出などに活路を見いだす企業が増えているため。
電気・機械分野では現在、「働き方改革」の一環として、企業での生産性向上と適正な人員配置が重視されている。また、クラウドファンディングで資金を調達し、家電・IoT(モノのインターネット)関連製品を開発するベンチャー企業が増えている。そのため、企業の規模を問わずエンジニアのニーズが高まっているという。
営業担当者の求人が増える理由は、学生の減少や志向の多様化によって、新卒採用だけでは人材を賄えなくなったため。第2新卒や30歳以上の場合でも、異業界・異業種からの転職が歓迎されるとみている。
人事・経理・法務など管理部門では業務の多様化が進んでいるため、定型的な業務に加えてM&A、事業再編、事業提携、新規事業参入、ガバナンス強化――といった業務のノウハウを持つ人材のニーズが高まっているとみている。
パーソルキャリアは「『売り手市場』という言葉は、『その気になれば、誰でもすぐに仕事が見つかる』というニュアンスに捉えられがちだ。だが、新たな領域への進出やビジネスのボーダーレス化が背景にあるため、企業側は採用のハードルを大きく下げているわけではない」と指摘。
「企業は、組織の課題をより早く確実に解決できる人を求めている。業種や職種の経験がなくても、それに代わる経験や実績を生かして成果を上げられる人材は希望の職に就ける可能性が高いだろう」とみている。
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