高級チョコレートで知られるゴディバが出した広告が話題になっている。2月1日付の日本経済新聞に「日本は、義理チョコをやめよう」と全面広告を掲載。“書き入れ時”であるバレンタインデーに向けてあえて、「もちろん本命はあっていいけど、義理チョコはなくてもいい。いや、この時代、ないほうがいい」と発信した。
ゴディバが啓発しようとした相手は、「あげる側」ではなく「もらう側」。日経新聞の主な読者である30歳以上のビジネスマン、その中でもマネジャー層や経営者層にメッセージを届けた。
〈そもそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。社内の人間関係を調整する日ではない。だから男性のみなさんから、とりわけそれぞれの会社のトップから、彼女たちにまずひと言、言ってあげてください。「義理チョコ、ムリしないで」と〉
この広告を巡って、ちょっとした議論も巻き起こっている。「ゴディバは本命チョコとして買われているのだから、この広告は義理チョコ用として買われている他メーカーへの攻撃だ」「いやいや、ゴディバは義理チョコでしょう。だからこそこの広告を出したのはスゴい」――「ゴディバは『本命用』か『義理用』か」で、意見が真っ二つに分かれたのだ。
「ブラックサンダー」(有楽製菓)のように「一目で義理と分かる」をアピールするチョコならともかく、ゴディバが「義理用」か「本命用」かの判定は難しそうだ。では、受け取る側である男性は、ゴディバについてどう思っているのか? 社内のアラフォー男性に「ゴディバは本命? それとも義理?」とアンケートを取り、ゴディバに対して抱いているイメージを話してもらった。
15人に聞いてみた結果……「本命派」は4人、「義理派」は11人! 「義理派」が大きな差を付けて上回る結果となった。
義理チョコとしてゴディバを受け取った経験があるおじさんたちも少なくない。分母が非常に少ないので断言はできないが、ゴディバの義理チョコ需要は確実に存在しているようだ。そんな中で「義理チョコをやめよう」というメッセージは、かなり“攻めている”と言えるだろう。
ちなみに、総合オンラインストアのAmazon.co.jpが発表した「本命向けチョコ」と「義理チョコ」の売れ筋ランキングTOP5で、ゴディバは面白い結果を出している。「本命チョコ」で2位と3位に、「義理チョコ」でも2位にランクインしているのだ。それだけゴディバがバレンタインデーの定番になっていることの表れだが、「本命or義理」の答えは「どっちも正解」なのかもしれない。
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