オタクグッズ、海を越えて「おつかい」します「本物のフィギュアが欲しい」海外のオタクの声受け(1/2 ページ)

» 2018年05月14日 16時40分 公開
[服部良祐ITmedia]

 秋葉原がすっかり“訪日客の街”となり、コミックマーケットに外国人が普通に参加するようになった今。オタク文化は海外で勝負できるコンテンツの代表だ。国や大企業は「クールジャパン」の売り込みに余念がない。しかし、意外と盲点なのが「グッズ展開」。フィギュアなどは日本でしか流通していないものが多く、海外では偽物まで出回るほど。遠い外国には簡単に行けないが、好きなキャラのグッズをどうしても手に入れたいという「オタク」の心情は、日本も海外も変わらない。そこで、海外のユーザーがリクエストした「オタクグッズ」を、日本のユーザーが買ってきて取引するサービスに大阪のIT企業が取り組んでいる。

photo 海外のオタクのリクエストを受け日本人が「おつかい」

グッズをほしい外国人と買える日本人をつなぐ

 このサービス「Otsukai」を作ったのはDONIKA(大阪市)。4月にβ版をスタートさせ、今夏にも本格リリースを予定している。海外在住のユーザーが、欲しいオタクグッズの写真や名前、出せる金額などの情報を英語でサイトに登録する。リクエストを見て「これは既に持っている」「あそこの店でなら買える」などとピンときた日本のユーザーが、金額などの条件を提案。双方で条件が一致すれば取引が成立するという流れだ。日本のユーザーは、提案時に既に手元に商品があってもなくても問題なく、取引が決まってから買いに行ってもよい。海外ユーザーが商品を実際に受け取った後に料金が支払われる。サイト側は手数料をもらう仕組み。郵送料をどちらが負担するかもユーザーがリクエスト時に選べる。

 現在、リクエストのかかるアイテムはフィギュアや服など多種多様。中には、「〇〇というアニメのTシャツがほしい」などと非常にアバウトなリクエストもある。外国人ユーザーの登録は約1カ月で3000人を突破。試験運用中のため購入する日本のユーザー側は、社員の知り合いなどに限定して数十人で回している。リクエストが非常に多く人手が足りない状況という。年内に海外ユーザー10万人を目指す。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.