コラム
» 2018年08月06日 15時45分 公開

国民生活への影響大:東京オリンピックはもはや“国難”なのか 浮上する「サマータイム」 (1/3)

酷暑対策で東京五輪期間中のサマータイム導入がにわかに浮上しているが、IT化した社会で簡単に実現できるものではない。

[久我山徹,ITmedia]

 「サマータイム」──夏季だけ時間を繰り上げるという、これまでも浮かんでは消えてきた施策がにわかに浮上している。今夏の酷暑を受け、2020年東京オリンピック・パラリンピックの対策として政府・与党が本格検討を始めたのだという。時間を繰り上げれば国民生活への多大な影響は避けられない。東京という一都市のイベントが国全体を巻き込み始め、東京五輪はもはや“国難”の様相を呈してきた。

photo 東京五輪に向け、政府や東京都はあの手この手を繰り出している

 8月6日付の産経新聞(電子版)によると、サマータイムは夏の時間を2時間繰り上げる。五輪組織委員会の森喜朗会長が7月末、安倍晋三首相に導入を要請し、与党はお盆明けにも本格検討を開始、秋の臨時国会に議員立法提出を目指すが、導入は19年と20年の2年限定になる公算が大きい──という。

 森会長は7月に競技日程を発表した際、「これまでにないほどの熱気にあふれた大会になると確信しています」と語ったというが、熱気というにはあまりに暑すぎる大会になる懸念が強まり、有効な対策を打ち出すことを迫られている。特に懸念されるマラソン(午前7時スタート)で時間を2時間繰り上げれば、通常時間の午前5時、早朝に始められるというわけだ。

 マラソンの対策としてこれまで浮上したのが「打ち水」や、コース沿いの店舗やビルでエアコンの効いた1階を開放してもらう「クールシェア」というもの。だが今夏のような酷暑に直面すると、文字通り焼け石に水ではないかという疑念は拭えない。ネットでは「バケツリレー」「B29に竹やり」という戦時中を思わせるワードであきれる声が投稿されている。

 これらに比べるとサマータイムは比較的実効性は高そうだが、多数のITシステムに支えられた社会で「時間を2時間繰り上げる」「しかも2年限定」ということがどれほど困難か、IT関係者から強く懸念する声が上がっている。「サマータイム」がトレンドに入った8月6日のTwitterでは「関東の大会でなぜ日本全国を巻き込むのか」「東京地方時を設けて勝手にやってくれ」といった批判も相次いだ。

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