秋ビール、差別化のカギは「配色」にあり?(1/3 ページ)
秋ビールの季節になりました。秋ビールと言えば紅葉がデザインされたパッケージが多いので、今まで似たり寄ったりでしたが、今年は差別化された商品が登場。色とデザインの視点から分析したところ……。
著者プロフィール:山田美帆(やまだ・みほ)
カラーコンサルタントRosa代表。大学時代から、ピアノ講師・通訳・コンパニオン・モデルなどのタレント活動をしながら、インテリアやカラーや美容やマナーの学校に通い、資格を習得。その後各種サロンや美容スクール講師・派遣のマナー講師を経て、カラーコンサルタントRosaを起業。
毎年夏の終わりになると、出てくる秋ビール。相対的に濃厚でコクがある味で、アルコール度数が少し高めのものが多く、ごくごく飲める夏のビールとは違う味わいを感じることができます。食欲の秋にぴったりな旬の食材と合うように作られているんですね。
秋ビールの先がけになったのは、1991年に発売された「キリン秋味」ではないでしょうか。今年25年目となるこちらのパッケージには、発売当初を除いて、ずっと秋を象徴する紅葉のイラストが使われています。
紅葉のデザインのパクリ疑惑
最近、ビールのパッケージに季節を感じるものが多くなっています。特に桜の季節は、多くのビールに桜が印刷されていました。これは四季のある日本ならではの演出でしょう。
秋と言えば紅葉。売り場に、紅葉の描かれたパッケージが並ぶだけでも、私たちは秋を感じることができますね。ところが、さまざまなメーカーが、秋のビールや発泡酒や第三のビールを出すようになり、どのパッケージにも紅葉が描かれるようになったため、一見はどのメーカーの商品か区別がつかないと言われる方も増えてきました。
特に、2011年に発売された「キリン秋味」と「サントリー秋楽」は、あまりにもパッケージの色と書体が酷似していたため、間違って購入した方も多く、ネット上では物議をかもしました。
前者はビール、後者は第三のビールと呼ばれているものなので、価格は全く違うのですが、うっかり購入する可能性があるくらいそっくりだったのは否めません。
まあ、紅葉を描けば同じような色合いになるかもしれませんし、ビール業界では、先行商品が流行した場合、別のメーカーであっても、近い色合いで発売することが多いそうなので、似てしまったのかもしれませんね。
あの話題になっている方も、このようにおっしゃっていましたね。「ゼロベースからデザインを創り出すことは一般的ではありません。どこかで見たデザインから無意識的に着想を得ることは、珍しいことではありません」と……。
同じような素材を使うと、似たようなデザイン、もしくはそっくりなものになることもあるのでしょうね。しかも今思えば、皮肉にもサントリーでしたし……。
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