米国系航空会社の業績が、好調なワケ:来週話題になるハナシ(1/3 ページ)
米国系航空会社の業績が好調だ。飛行機の利用者が増えているという単純なものではなく、航空券に付随するサービスの売り上げが年々増えているのだ。例えば……。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
米経済の回復と同時に、いま航空業界が注目を集めている。近年、特に航空業界において全世界の収益の半分以上を占める米国系航空会社の業績が好調なのだ。そしてその理由は、飛行機の利用者が増えているという単純なものではない。
航空コンサルタントが発表した最新データによると、航空券に付随するサービスの売り上げが年々増えている。この付帯サービスによる収益は、航空会社の売り上げの約3分の1ほどになるという。米国系の航空会社を例にとると、2014年の付帯サービスからの収益は、前年比18.7%(26億ドル)増にもなっているのだ。
ちなみに、付帯サービスとは、受託手荷物の有料化や、座席の有料アップグレード、機内食の販売、フリークエントフライヤープログラムのマイル販売、さらにはレンタカーのコミッションなどを含む。
いま航空会社の世界的なビジネスモデルは、座席を埋めることよりも、付帯サービス重視に変化してきている。そして、航空会社がターゲットとして最も重要視しているのが、ビジネス旅行客だ。航空会社は、ビジネス旅行客からのブランド・ロイヤルティーを高めるため、付帯サービスを工夫してターゲットの囲い込みを狙っている。
まず、大きく変わったのが、フリークエントフライヤープログラムのルール変更だ。2015年からデルタ航空やユナイテッド航空が導入した新しいルールでは、今まで飛行距離で加算されていたマイルを、実際の利用金額に応じて加算する方式に変更した。
これによって、急な出張などで短距離を割高な料金で利用することが多いビジネスパーソンにとっては、より早くマイルを稼ぐことができるようになる。一方で航空会社にしてみれば、価格を重視し、航空会社を頻繁に変える浮気がちな旅行客ではなく、もっと長期的な関係を築けるビジネス旅行客にアピールすることができる。
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