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なぜコンビニは、「ミスドの客」をたくさん奪うことができないのか:コンビニ探偵! 調査報告書(2/4 ページ)
コンビニドーナツ全体の雲行きが怪しくなってきた。発売時には「専門店のミスタードーナツを食ってやる!」という勢いだったが、今はそれが感じられない。今回は、ミスドの視点からコンビニドーナツについて考察してみよう。
コンビニ各社のドーナツアピールが影響したのか、2016年度前半は大きく売り上げを落としている。マイナス全体の95%はこの時期に偏っているのだ。第3四半期で多少持ち直したものの、第4四半期は再びマイナスに。
結果、2016年度の売上高は前期比マイナス42億8200万円と大幅に落ち込んだ。
大きなダメージを負った前半の原因がコンビニ各社の攻勢によるものだとすると、後半は専門店のミスドが本気を出して盛り返してきたのでは――という見方もできる。
以前の記事「コンビニのドーナツはミスドに勝てるのか」で、コンビニにフライドチキン市場を奪われたケンタッキーフライドチキンが、最終的には盛り返した事例を紹介した。記事の中で、ケンタの業績が回復した最大の理由は、消費者がコンビニの味に飽きてきたからではないか――などと指摘した。
ケンタとコンビニ各社が導入している設備は「別物」と言ってもよくて、それが原因で味もかなり違う。コンビニのチキンを食べた人の多くは「やっぱチキンはケンタだなあ」と感じたのではないだろうか。結果、“コンビニのチキン離れ”が進んだのかもしれない。今回のドーナツにおいても、同じことが言えるのではないだろうか。
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