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なぜコンビニは、「ミスドの客」をたくさん奪うことができないのか:コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)
コンビニドーナツ全体の雲行きが怪しくなってきた。発売時には「専門店のミスタードーナツを食ってやる!」という勢いだったが、今はそれが感じられない。今回は、ミスドの視点からコンビニドーナツについて考察してみよう。
「菓子パン」の域を出ないコンビニドーナツ
コンビニの参入により、日本のドーナツ市場は大きく様変わりした。メディアは「ドーナツ戦争勃発 コンビニ VS. ミスド」といった形で対立構造をつくり出していたが、いまのところどちらにも軍配は上がっていないようだ。
事実、ミスド全1269店(2016年3月末現在)に、大手コンビニ3社の計4万2991店(2016年5月末現在)が束になってかかっても、10%しか売り上げを奪えなかった。この数字から何を読み取ればいいのか。ターゲットが完全に住み分けられていて、生半可な攻勢では専門店にはかなわないということだ。ケンタッキーフライドチキンの事例を鑑みても、店内製造ではないコンビニドーナツは、ドーナツというよりは「菓子パン」の域を出ていないのだ。
一方、「本格」をウリにしたコンビニコーヒーは大きく躍進した。セブンは、2016年2月末に累計20億杯を突破したと発表。その時点で、セブンの店舗数は1万8572店。単純計算すると、1店舗当たり1日100杯は売っていることになる。伸び率から見て、現在では100杯を超えているだろう。
残念なことに、コンビニドーナツにはこの「本格」がない。ミスドとコンビニの「本格」と「本格じゃない」の住み分けが進むと、コンビニにとっては分が悪くなってくる。
分が悪くなるとはどういうことか。次のページで詳しく説明しよう。
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