なぜ斎藤佑樹は“おねだり王子”になったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
『週刊文春』で斎藤佑樹投手の醜聞が報じられ、大きな波紋を呼んでいる。同誌によると、ベースボール・マガジン社の社長に斎藤がクルマを“おねだり”したようだが、一流とは言えない選手とメディアがなぜこのような癒着をするのか。
メディアとプロ野球選手の癒着問題
とはいえ斎藤はもちろんのこと、ベーマガ社・社長の行為も「NG」と言わざるを得ない。本来ならニュートラルでなければならないメディアに属していながら、ここまで1人の選手に肩入れするなどもってのほかである。しかも歴史のある老舗出版社のトップに、このような醜聞が発覚したのだから信用問題にも発展して然るべきだろう。
この斎藤のケースはかなり極端ではあるにせよ、一部のメディアとプロ野球選手の癒着は以前から問題視されている。一部のメディアが注目選手とベッタリになって迎合する、いわゆる“囲い込み”だ。ターゲットにした選手と馴れ合いの関係になるために社からゴーサインをもらって経費を湯水のごとく使い、タダで飲み食いさせて手懐けていくのが、その「セオリー」。昵懇(じっこん)になれば、報道では相手の都合の悪いことには目をつぶり、美辞麗句を並べ立てヨイショばかりを繰り返す。そして「他社はキミの悪いことも報じたがるから、必要最低限のことしか話さないほうがいい」と耳打ちするのである。
ある在京球団で長年に渡り広報業務に携わってきた関係者は、次のように嘆く。
「こういうやり方を好むのは、民放テレビ局の関係者に多いですよ。ひと昔前のように青天井とまではいかないにしても、まだまだ経費は新聞社よりもふんだんに使える。しかもテレビはスポーツ紙、夕刊紙、週刊誌などのメディアと違って、批判的なことはあまり報じない。選手にとっても悪いことに目をつぶってくれる都合のいい相手だから、すぐに心を許して接近してくる。だから民放局のスポーツ担当は他のメディアと比較すれば、比較的楽に大物選手たちと密な関係を築くことができる」
ただ、そこからがある意味で彼らの手腕が試されることになるようだ。
「その担当者たちはターゲットの選手から頼まれれば、場合によっては飲み食いだけじゃなく合コンのセッティングも請け負ったりする。言うまでもなく写真週刊誌の目を気にしながら、そのメンツはそれなりにレベルの高い女性を集めなければいけない。とにかく酒池肉林(しゅちにくりん)の接待攻勢で、さらに相手を落としにかかるわけです。こうなると取材というより、コーディネーター的な役割ですよね。果たして、これがメディアと言えるのかどうかは甚だ疑問ではありますが……」(前出の在京球団関係者)
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