東京五輪に襲いかかる「ドーピング丸投げ裁定」のツケ:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
国家ぐるみのドーピング隠ぺい問題で、ロシアのスポーツ界が揺れている。リオ五輪の出場については、各国際競技団体がその条件を満たしているかどうかを判断することになった。大会前にドタバタぶりを繰り広げているが、問題を先送りにすれば4年後の東京五輪にも影響が及ぶかもしれない。
国際水泳連盟が“勇気あるジャッジ”
我々では判断できないから、各競技を管轄する方々でそれぞれきちんと決断を下してください――。そんな風にいわばIOCから丸投げされた国際競技団体も、いい迷惑であろう。リオ五輪の開幕は8月5日で、もう残り10日を切っている。ドーピングに関する新たな検査を行うなど容易なことではなく、国際競技団体による自主的なファイナルチェックは不可能に限りなく近い。そうなると手段は限られ、これまでに集まった情報を第三者機関などから入手するしか道はなくなってしまう。
それでも数ある国際競技団体のうち国際水泳連盟(FINA)が先陣を切って“勇気あるジャッジ”を下した。25日、IOCの丸投げに屈せずロシアの水泳競技選手7人のリオ五輪出場禁止を発表したのである。過去の国際大会で採取したロシア選手の検体を再検査し、WADAとも連係しながら「これから臨時委員会による調査を進めていく」としてリオ五輪開幕が近づく中、最後の最後までロシアの全水泳競技選手への追求を諦めずに調査結果いかんでは追加処分も辞さない構えを強調した。
だが、そこで大きな役割を果たせそうなWADAも「シロかクロかの判断が付けられないグレーゾーンの選手に関しては多数いるが、情報提供を求められても違反者として言い切れないから証拠にはならない。従ってグレーの域にある選手たちの情報提供は難しい」との姿勢を崩しておらず、その動かぬ証拠のない灰色選手に関しては各国際競技団体も頭を悩ませている。
つまり現時点でもWADAから「怪しい」と見られているグレーゾーンのロシア代表選手は競技別に数多くいるわけで、それが黙認されたまま参加することになってしまうと、やはりリオ五輪にはどうしてもドーピングオリンピックとして多くの疑惑の目が注がれることは必至なのだ。
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