同じ仕事なのに、なぜあの人は「結果」を出すのか:結果を出す“下ごしらえ”(1/5 ページ)
「同僚のあいつと、同じような仕事をしているのに、なぜ結果が違うんだろう」と感じたことはないだろうか。ひょっとしたら、アウトプットに行き着くまでの流れと、アウトプットをどう考えるかによって違ってくるのかもしれない。どういうことかというと……。
仕事のやり直し、差し戻しを防ぐには、どうすればいいのか。準備段階での「結果を出す"下ごしらえ"」について、たくさんの取材経験から考えてみる連載第5回最終回。
第4回まで、「目的」「ターゲット」「アウトプットイメージ」「プロセス」というキーワードを掲げてきたが、最終回のキーワードは「アウトプット」だ。最終的に仕事を仕上げていくことである。
ある取材で、マネジメントを担う上司がこんなことを語っていた。「よく似た仕事を別の社員2人に頼んだら、まったく違う出来になって驚いた……」
ほどんど同じ仕事なのに、なぜ違いが出るのか。その理由は、「目的」「ターゲット」「アウトプットイメージ」「プロセス」というアウトプットに行き着くまでの流れに大きく左右される。そして、もうひとつ大きな違いを生むのが、「アウトプットをどう考えるか」ということだ。
アウトプットの考え方の質次第で、出てくるもののクオリティは大きく変わる。アウトプットイメージは近くても、似て非なるものが出てくる可能性もあるのだ。
どういうことか。端的に言えば、「考える時間」が極めて重要になるということである。ところが、アウトプットを考える時間が、意外に意識されていないのだ。
やらなければいけないステップに引きずられ、肝心の考える時間が取れなくなっていることが、差を生むというのである。
考える時間がなかったとすれば、単にステップを踏んだだけの仕事になってしまいかねない。これでは依頼者が求める期待に応えるのは難しいし、受けた側の仕事も面白いものではなくなる。
まずは「プロセス」まで準備したところで、一度、頭をクールダウンさせて考えるのだ。「さて、どうするか」と1人で作戦会議を立ててみる。これが、アウトプットのレベルを大きく左右するのである。
そのひとつのヒントが、「相場」だ。物事には相場というものがある。例えば、レベル相場の理解だ。
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