同じ仕事なのに、なぜあの人は「結果」を出すのか:結果を出す“下ごしらえ”(2/5 ページ)
「同僚のあいつと、同じような仕事をしているのに、なぜ結果が違うんだろう」と感じたことはないだろうか。ひょっとしたら、アウトプットに行き着くまでの流れと、アウトプットをどう考えるかによって違ってくるのかもしれない。どういうことかというと……。
「過去の仕事を探ること」がポイント
上司に資料づくりを命じられた場合、どんなクオリティレベルの仕事をすれば、上司は納得してくれるのか。あるいはほめてくれるのか。それが把握できているかどうか。
自分の主観で「このレベルでやっておけばいいだろう」と思ったことが、上司の主観で見れば、「こんなレベルではOKは出せない」ということにもなりかねない。
そこで有効なのが、過去の仕事を探ること、と語っていた経営者がいた。第3回の「アウトプットイメージ」でも、サンプルや参考になるものを探してみる有効性を書いたが、これはレベル相場の確認にも役立つのだ。
経営者は若いころ、上司に仕事を頼まれたとき、過去の仕事について、上司に必ず尋ねていたという。「いい実例はないですか」「何かお手本になるようなものはありませんか」「サンプルとして参考にできるものはありますか」……。
これによって、経営者は頼まれた仕事のレベルを理解することができた。その仕事の「相場観」が分かったのだ。
もし、上司がイメージを持っていないようであれば、「過去にこういう仕事を依頼されたことがないか」「何かいいサンプルになるものはないか」と先輩に聞いてみるのもいい、と語っていた。
勘違いするべきではないのは、もらったお手本やサンプル、見本をそのまま真似ろということではないことだ。あくまでこれらは、仕事レベルを知る、相場観を知るツールに過ぎない。そのレベルまで、あるいは、そのレベル以上の仕事をしようとするために、ツールとして使えばいいというだけだ。
その意味では、そのものずばりサンプルにならなくても、似た仕事、近い仕事、上司の仕事、同僚や先輩の仕事、同じ部署の仕事など、相場観を知るヒントはたくさんある。
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