同じ仕事なのに、なぜあの人は「結果」を出すのか:結果を出す“下ごしらえ”(3/5 ページ)
「同僚のあいつと、同じような仕事をしているのに、なぜ結果が違うんだろう」と感じたことはないだろうか。ひょっとしたら、アウトプットに行き着くまでの流れと、アウトプットをどう考えるかによって違ってくるのかもしれない。どういうことかというと……。
情報を取捨選択しなければいけない
そしてもうひとつ、アウトプットを考えるとき、最も出くわすことになるのは、情報の取捨選択の概念になる、と語っていたのは、あるトップセールスマンである。
資料づくりを頼まれたとき、どの情報を資料に盛り込み、どの情報を外すか。セールスの企画書をつくってプレゼンをするとき、どのポイントを一番に持っていくか。
これら情報の取捨選択を考えるとき、重要なキーワードがある。それが、ターゲットメリットを考えることだ。
第2回で解説した、本当のターゲットを満足させることが、仕事の最終目的。そうであるなら、ターゲットを軸に、情報の取捨選択を考えることが重要になる。
上司に資料を頼まれた。提出先は、上司の上司である部長。これが本当のターゲット。では、なぜ部長はこの資料を求めたのか。部長はどんな状況にあり、どんなことに関心を持っているのか。上司の課長と一緒に考えるのだ。
本当のターゲットを考えることによって、情報の取捨選択ができるようになっていくのである。
セールスのための企画書なら、ターゲットはお客さま。となれば、お客さまの状況をしっかり分析しなければならない。こちらがどう売るか、という前に、お客さまがどういう状況にあるのか、把握しないといけない。
場合によっては、企画書を出す前に、お客さまの状況をヒアリングする機会を真っ先に設けたほうがいいかもしれない。それによって、企画書の情報の取捨選択ができるようになるのだ。
アウトプットを考えるときには、こうしてターゲットメリットを強く意識しなければいけない。しかし実際には、流れている情報が膨大である。そこから情報を整理して、正しい結論を出していくことは、やはり簡単ではない。
また、ターゲットメリットを知るには、いろいろなターゲットがイメージできる想像力も必要になってくる。出したものが、どんなふうに受け取られるか、求められているものに過不足なく応えられているか、依頼者のターゲットが好む仕上がりになっているか、ということも想像しないといけない。
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