同じ仕事なのに、なぜあの人は「結果」を出すのか:結果を出す“下ごしらえ”(4/5 ページ)
「同僚のあいつと、同じような仕事をしているのに、なぜ結果が違うんだろう」と感じたことはないだろうか。ひょっとしたら、アウトプットに行き着くまでの流れと、アウトプットをどう考えるかによって違ってくるのかもしれない。どういうことかというと……。
情報感度の磨き方
こうした想像力をどう培っていけばいいのか。いろいろな人にとって必要な情報に反応できる情報感度をどう磨いていけばいいのか。
これについて興味深い話をしてくれたのが、ある外資系企業のトップだった。ただひたすらに膨大な量の情報を浴び続ければいい、というのだ。
今や何もしなくてもたくさんの情報が入ってくる時代。とにかく情報のシャワーを浴びるのである。ただし、このとき、ひとつだけ意識することがある、と経営者は語っていた。それは大事なニュースは何か、ということ。
膨大な量の情報の中から、「大事なもの」というアンテナを立てておくのである。そうすることで、引っかかる情報が出てくるのだ。そうすることによって、ただ情報が受け身に流れていくのではなく、こちらから取りに行けるようになる。
別の著名な経営者はこんなことを語っていた。彼のもとには毎週月曜日に各事業部門から分厚いレポートが集まる。それを束ねると、厚さは10センチ以上。
そのすべてを読み込むことは、とてもできない。では、どうするのかというと、斜め読みをしながらページをめくっていくのである。そうすると、「おや?」と引っかかる箇所が出てくるというのだ。そこにだいたい問題点があり、すぐにそのレポートを書いた担当者に電話で問い合わせるのである。
大事なのは、膨大な量の情報に慣れ、そこから本質的なものを吸い上げる意識を持っておくことだ。先の外資系社長は、「インサイト」という言葉を使っていた。本質は何か、インサイトは何かというアンテナを立てながら、膨大な量の情報に接していくのである。
若い時代の仕事は、その仕事自体の構造が比較的シンプルだ。ターゲットメリットも分かりやすい。しかし仕事の難易度が高まると、情報の取捨選択の難易度も高まっていく。大量の情報に接すると、その扱いに困るようになる。だから、インサイトが生きてくる。経営者たちは、こういうことをして想像力を鍛えているのである。
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