日本の「顧客主義」は「ボンドカー」のアストンマーチンを救えるのか:来週話題になるハナシ(1/4 ページ)
ジェームズ・ボンドが愛用するクルマ「ボンドカー」として有名なアストンマーチンが、再び注目されている。何度も倒産危機に追い込まれた同社のCEOに就任したアンディ・パーマーは、日産自動車でゴーンCEOの右腕として活躍。新天地でパーマーCEOはどのような手を打ってきたのか。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
映画『007』シリーズで、主人公のジェームズ・ボンドが愛用するクルマ「ボンドカー」として知られるが、年間販売台数は7000台以下と非常に少なく、過去に何度も倒産危機を乗り越えてきた自動車メーカーがある。
英国の高級スポーツカーブランド「アストンマーチン」だ。
2016年3月、ジュネーブ・モーターショーで、アストンマーチンが最新モデル「DB11」を発表した。このDBシリーズは、同ブランドのアイコンとも言える「ボンドカー」のデザインを受け継ぐものだ。
この発表はひときわ注目を浴びた。なぜなら、2014年にアストンマーチンのCEOに就任したアンディ・パーマー氏が進める「変革」の下で発表される最初のモデルだからだ。パーマー氏は、日産自動車の元副社長としてカルロス・ゴーンCEOの右腕と言われた人物であり、日本に長年暮らした経験を持つ。
アストンマーチンは103年の歴史の中で、7度も倒産の危機に陥りながら生き延びてきた。そして今、さらに次の100年を生き延びるために日本とゆかりのあるCEOがアストンマーチンを変えるべく変革に乗り出している。
アストンマーチンというブランドには、一体どんな魅力があるのか。これまで投資家や愛好家を惹(ひ)きつけ、倒産を免れて、高級スポーツカーのブランドを維持することができた背景には何があるのだろうか。
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