“マイカー”持つ新成人、4年ぶり増加:「若者のクルマ離れ」が収束する?
2017年に新成人を迎える若者たちの、自動車の保有状況や購入に対する意識はどうなっているのだろうか――ソニー損保調べ。
“若者のクルマ離れ”が叫ばれて久しいが、今年の新成人(1996年4月2日〜97年4月1日生まれ)の自動車の所有状況はどうなっているのだろうか――。ソニー損保が意識調査の結果を発表した。
新成人に自動車の有無について聞いたところ、最も多かった回答は「現時点で購入の予定はないが、いずれは欲しい」で、49.7%。次いで多かったのが「購入するつもりはない」で、26.7%。以下、「既に自分の車を持っている」(16.8%)、「購入する予定がある」(6.8%)という結果だった。居住地別では、都市部の所有率が10.4%だったのに対し、地方では19.0%と、地方の若者のほうが自動車の所有率が高い傾向がみられた。
この結果を過去の調査結果と比較すると、マイカー所有率が前年度を上回るのは13年以来4年ぶり。17年は昨年比で4.3ポイント上昇しており、新成人の“クルマ離れ”に歯止めがかかっていることが分かった。特に都市部でのマイカー所有率の伸び率が大きく、直近の8年間では最も多い結果となった。
普通自動車運転免許の保有率も高く、「既に免許を持っている」と答えた人は56.3%を占めた。免許取得の意欲を持つ人は、「時期は決まっていないが、取得予定」(27.7%)、「現在、教習所に通っている」(5.0%)という結果だった。一方、「免許取得の予定はない」と答えた人は、11.0%にとどまった。
では、車を所有する際にネックとなっているのは、どのような要素なのだろうか。調査によると、「車に乗る必要性を感じない」と答えた人は全体の26.4%だったのに対し、「車を所有する経済的余裕がない」と答えた人は全体の68.4%と過半数を占めており、経済的な事情が購入をためらわせていることが読み取れた。
ただ、自動車の維持に要するコストは低下しているようだ。「自動車にかけられる1カ月あたりの金額」については、平均1万7624円という結果だった。この金額は過去5年間のうち2番目に低く、自動車の維持費が減少していることがうかがえた。ソニー損保は、「燃費の良いエコカーや維持費が比較的安価な軽自動車など、経済状況に見合ったマイカーを上手に選択することで、コストパフォーマンスの良いカーライフを送ることができているのでは」とみている。
調査は、今年新成人を迎える男女1000人を対象に、2016年11月19日〜28日にかけてインターネット上で実施した。
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