阪神の藤浪は、“未完の大器”で終わってしまうのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
4月4日、阪神・藤浪が投じた直球がヤクルト・畠山の左肩を直撃した。両軍ベンチから全員が飛び出し、ド派手な乱闘劇へと発展したわけだが、心配なのは藤浪である。「未来のエース」として期待されながら、このまま未完で終わってしまうのだろうか。
関西経済界もガッカリ
4日のヤクルト戦での乱闘劇は逆に言えば藤浪が目を覚ます、いい機会と言っていい。実は乱闘発生で阪神ベンチを飛び出したチームメートの中には「藤浪を守れ」という一心のもと、グラウンドへ突っ走った選手も多くいた。その藤浪に対しては球団内からも、このような厳しめの指摘が向けられている。
「乱闘は確かにいいことじゃあないです。でも『俺たちは全員一丸となって戦っている』という意識を皆が植え付ける意味では不謹慎な言い方かもしれないが、あの乱闘発生がいい機会になったかもしれない。その辺は晋太郎にも感じてほしいです。
彼は正直、いい意味でも悪い意味でも何を考えているか分からないところがある。あれだけ、いい時と悪い時がハッキリしていれば、こちらも不安になる。まあ、最近は悪い時ばかりですが(苦笑い)。だから今回の試合で何かを感じ、エースの道を歩むために変わらなきゃいけないと思って次からやってくれれば御の字なんですけどね」
藤浪の成長の鈍さにがっかりしているのは、何も阪神球団やファンだけではない。関西の経済界も同じだ。先日、関西を拠点に置く大手広告代理店の担当者をまじえ、食事をする機会に恵まれたが、そこで当人の口から出たのは「WBCで活躍してくれれば、少しは名誉挽回できると思っていたのですが」という藤浪への失望感だった。
第4回WBCで藤浪は侍ジャパンのメンバーに選ばれたものの、本戦での登板は1次リーグ・中国戦の2イニングのみ。準決勝前に米アリゾナ州メサで米大リーグのカブスと行った練習試合では先発したものの、4回3失点と置きにいった甘い球をことごとくとらえられてしまった。
結果を残せず、ここでも制球の悪さを露呈。これだけコントロールが悪ければ、怖くてとても本戦で使えるわけがない。メンバーに選ばれた時点で「藤浪で大丈夫なのか?」との声も飛んでいたが、やはり小久保裕紀監督ら首脳陣は選出後に改めて信頼度の低い藤浪の起用に二の足を踏んだようだ。
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