キングジム、「円周率ノート」本当に発売 けい線が数字の羅列:ボツアイデアが……
文具メーカーのキングジムが、ノートのけい線が円周率の羅列になっているノート「円周率ノート」を発売すると発表。同社のTwitter公式アカウントでの発言が商品化につながった。
文具メーカーのキングジムは6月19日、ノートのけい線が円周率の羅列になっているノート「円周率ノート」を発売すると発表した。雑貨ショップ「ロフト」とのコラボ商品だが、今年3月にキングジム公式Twitterアカウントが投稿した“没になったアイデア”が実現した形だ。
円周率にちなみ、先行販売時の価格は税別314円(全国展開時は380円)。サイズはA5のみ。カラーは白と緑の2種類で、各2000冊ずつの限定販売となる。23日からEC(インターネット通販)サイトの「ロフトネットストア」と、同日オープン予定の「銀座ロフト」(東京都中央区)で先行販売する。7月中旬から全国のロフトで発売する予定。
「没になった」はずが……
キングジムの公式Twitterアカウントが、今年3月14日に「没になったアイデア」として、通常のノートに円周率を羅列した紙を貼ったものを投稿したことが開発のきっかけ。同ツイートに対しては、「商品化してほしい」「買いたい」などの意見が殺到し、大きな話題となった。
すると、ツイートを目にしたロフトの担当者から連絡があり、3月14日のうちに商品化が決定。以降、キングジムのデザイナーが表紙と細部のデザインなどを考案し、発売に至った。
キングジムの広報担当者は「『円周率ノート』のターゲットは、Twitterで当社の投稿を見てくれている方や、数学好きの方。数学が嫌いな方にも手に取っていただき、数学を好きになるきっかけを提供できればうれしい」と話す。今年度中の販売目標については、「まずは限定販売する2000冊を完売させたい」という。
Twitter発のコラボは3度目 SNS運用に力を入れる理由は?
キングジムがTwitterをきっかけに他社とコラボ商品を制作するのは、これで3度目。1度目は、東急ハンズとのコラボ商品で、2014年7月に発売した書類ホルダーの「トラベル・オレッタ」だ。この商品は、東急ハンズとキングジムの公式アカウントが「コラボ商品を作ろう」と会話したことが商品化につながった。
2度目は、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」とコラボ。17年5月にバインダーノート「テフレーヌ」、ペンケース「ペンサム」など4種類を発売した。Bリーグの千葉ジェッツに所属する選手が、キングジムの公式アカウントにTwitter上で話しかけたことが商品化につながった。
キングジムの公式アカウントは、企業やスポーツ選手だけでなく、一般ユーザーともTwitter上で積極的に交流しており、現在22万人超のフォロワーが存在。Twitterの運営に力を入れる理由について、キングジムの広報担当者は「当社はもともと、法人向け事業が中心で、一般消費者の知名度が低かった。知名度向上を目指し、ユーザーと交流して気軽に当社のことを知ってもらう場としてSNSを活用することにした」と説明。
次々とコラボ製品を開発している理由は、「当社は自由な開発風土が特長で、Web上での他社からの呼びかけにも柔軟に応えられる環境が整っているため」と説明。「今後も他社から呼び掛けがあれば、新商品の開発を検討したい」と話している。
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