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「はま寿司」が急成長! 「かっぱ寿司」を追い越せた理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/4 ページ)
「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」を抜き、店舗数でトップに立った「はま寿司」。脱落しつつあるかっぱ寿司とは何が違うのか。外食ジャーナリストの長浜淳之介氏が読み解く。
回転すしチェーン「はま寿司」の成長が目覚ましい。現在の店舗数は472店で、競合の「スシロー」466店、「くら寿司」417店、「かっぱ寿司」341店を抜いて、回転すし業界でトップに立っている。
つい数年前までは、かっぱ寿司がトップブランドであり、スシロー、くら寿司とともに大手3大チェーンと呼ばれていたが、2002年に開業したはま寿司が加わり今は4大チェーンと並び称されている。
はま寿司の大きな特徴は、1皿平日90円(税別、以下同)の価格設定。他の大手チェーンが基本1皿100円で提供しているのに対して、10円安い。従って顧客単価は安く、平日なら1000円あればおなかいっぱいになる(土曜、日曜、祝日は1皿100円)。
また、月に必ず2回のフェアを開催。直近では、6月15日〜25日に、「大とろ祭り」を開催し、大とろを1皿平日90円、休日100円で提供した。来店した顧客は漏れなく注文するほどの人気ぶりで、満足度の高さがうかがえた。
16年度の年間売上高を見てみよう。はま寿司は非上場だが、15年実績で1010億円と発表しており、その後1年間で32店増えていることから、16年は1080〜90億円には達していると推測できる。1位はスシローの1460億円、2位はくら寿司の1136億円なので、売り上げで2位のくら寿司を追い抜く勢いだ。
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