トランプの暴言を止めることができない、お手上げの理由:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
トランプ大統領のトンデモ発言が続いている。身内の共和党内部からも批判が噴出しているのに、なぜ大統領は暴言を繰り返すのか。ひょっとしたら、暴言を吐き続けることができる理由があるのかもしれない。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
6月29日に米国のドナルド・トランプ大統領が放ったツイートが全米で大変な物議になっている。トランプは、朝の情報番組でキャスターを務める女性に対して、「IQの低いクレイジーなミカ(キャスターの名前)」「顔のしわ取り手術で出血していた。ノー!と言ったよ」とポストした。さすがにこの発言には身内の共和党内部からも批判が噴出し、対立する民主党議員らも記者会見を開いてトランプを批判した。
また7月2日には、以前自身がプロレスに登場した際の動画をいじって、米テレビCNNをボコボコにする映像をツイートしたことで「暴力を推奨している」と批判されている。とにかく、あの手この手で話題作りをしている感がある。日本でもトランプのトンデモ発言はよく報じられているために、もはや驚きはないかもしれない。
不思議なのは、これだけ失言・暴言・嘘をツイートなどで繰り返してもトランプへのダメージがほとんどないことだ。日本では稲田朋美防衛大臣が都議会選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言して問題になるなど、政治家の失言は下手したら一発でもクビが飛びかねない。
一方のトランプはどんな発言をしても痛くも痒(かゆ)くもない。実際に今も大統領として暴言を吐き続けていられるのは、結果的に、これまでの暴言が許されているからだと考えていい。
実はよく見ていくと、トランプがこうした暴言や暴挙を続けている理由は、もともとの性格に加えて、トランプ政権の維持に巧みに利用しているためだというのが分かってくる。
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