「毎年、新年の抱負を達成できない系」になっていませんか?:常見陽平のサラリーマン研究所(1/2 ページ)
意識高い系は、毎年同じような新年の抱負を語る。こうした“新年の抱負を達成できない系”にならないためには「今年、やらないこと」を決める必要があるのだ。
毎年、筆者が楽しみにしていることがある。SNS上で意識高い系の若者が行う「所信表明」の投稿だ。新年の抱負というやつである。仕事からプライベートまでてんこ盛りすぎて、しかも、意識が高すぎて卒倒してしまう。
年始から春先にかけては、成人式、就活、卒業式、入学式、入社式と意識高い系が訓示をするシーンが増え、ウォッチャーとしてはたまらない。新しい期には転職や異動も付き物なので、その際の「ポエム」も極上の香ばしさだ。
この意識高い系の年頭所感をさらに面白がるコツをお伝えしよう。ズバリ、その人の1年前の投稿をチェックすることだ。こういう奴に限って、毎年、同じことを言っているのである。「起業に向けての大きな一歩」「圧倒的な成長」「MBA取得を目指して英語力アップ」などだ。
一方、毎年違うことを言う人もいる。それもよく見てみると、実は物事に失敗しまくっており、自分の都合の良いように解釈を変えているパターンだ。これもまた味わい深い。
しかし、この手のことは反面教師にしなくてはならない。自分も同じようなことを言っていないか、と。ここで、お年玉的に、私が10年前に書いた新春所信表明を紹介しよう。33歳の正月、私はこんなことを書いていた。
「2007年はお世話になりました。2008年もよろしくお願いいたします。今年のテーマは『大胆』です。大胆に、傍若無人に、諸々、感情の赴くままにやりたいと思います。うん、想いって大事ですから。話題になる、世の中に影響力のある仕事をしたいです。本も今年は少なくともビジネス書を3冊書き、その上で小説か漫画を書きます。あとは、大事なキーワードは『教養』と『健康』ですかね。勉強します。健康も気をつけますです」
なんて意識高いんだ! 確かにこの年、本は3冊書いたが、それ以外はまるで達成していない。しかも、教養と健康はまるでダメだった。こんなもんである。
関連記事
- 上司は「ムリゲー化」する仕事に立ち向かっている
マネジメントの難易度が上がっている中で、上司の仕事が「スペランカー化(ムリゲー化)」している。部下は、このような「スペランカー上司」を支えなくてはならない時代となっているのだ。 - 「世の中全て分かっている系」が厄介な理由
「意識高い系」より面倒くさいのが「世の中全て分かっている系」の人である。自分の得意分野と、生きてきた時代を基準に全てを語ろうとするので非常に厄介なのだ。 - あなたの会社は若者から魅力的に見えていますか?
2018年度の新卒採用が既に盛り上がりを見せている。「新卒の採用なんて関係ねえよ」というサラリーマン諸君も多いことだろう。しかし、サラリーマンとしての保身のためにも、少なくとも自社の採用については関心を持つべきだ。 - ビジネス界は「あれはオレがやりました」で溢れている
雑誌のインタビューに出てくる「俺がやりました」的な奴は、疑ってかかったほうが良い。期待するほどそいつは仕事していない。実際は、みんながそれなりに仕事をしているのだ。 - BOOWY好きの上司と飲むときに気を付けたいこと
群馬県高崎駅に伝説のロックバンド「BOOWY」と書かれたポスターが現れ、盛り上がっている。サラリーマン的に問題なのは、今月の会社の飲みの席で、男性上司から高い可能性でこの話題が出ること、それにどう対応するかということではないだろうか。 - 「残業(長時間労働)は仕方ない」はもうやめよう
電通の新入社員が過労自殺するという事件が起こり、話題になっている。政府はいま「働き方改革」を進めて長時間労働の是正に取り組んでいるが、繰り返されてきたこの問題を本当に解決できるのだろうか。労働問題の専門家、常見陽平氏に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.