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580億円相当の「NEM」流出のコインチェック、日本円で返金へ:1XEM当たり88.549円
約580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出したコインチェックが、顧客への補償方針を発表。保有者の約26万人全員に日本円で返金する。返金の原資は自己資金を充てるという。
1月26日に不正アクセスを受け、約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した仮想通貨取引会社のコインチェックが28日、顧客への補償方針を発表した。NEMを保有する約26万人全員の「コインチェックウォレット」に日本円で返金するという。
返金時のレートは、売買停止期間中の他社の取引価格を基に算出。 1XEM(NEMの通貨単位)当たり88.549円とし、顧客の保有分に応じて返金する。
補償時期や手続き方法は検討中。返金の原資は自己資金を充てるという。
なぜ流出した?
コインチェックは通常、顧客から預かった仮想通貨をオフライン環境で厳重に管理する「コールドウォレット」と呼ぶ方法を採用。「ビットコイン」などをこの方法で管理している。
しかしNEMは技術的な難易度が高く、同方法の適用が困難だったため、オンライン環境で管理する手法「ホットウォレット」を用いていた。その欠点を突かれ、何者かに「NEM」を不正に送金されたとしている。
コインチェックは「お客さま、取引先、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしており、おわび申し上げます。原因究明、セキュリティ体制の強化などを含めたサービスの再開に尽力します」とコメント。
登録申請も継続
同社は昨年9月、金融庁に仮想通貨交換業の登録申請を行ったが、審査結果はまだ明らかになっていない。この点についても「登録申請の継続的な取り組みもあわせて、今後も事業を継続してまいります」とした。
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