「ちゃんぽん愛」が強い社員ではできなかったリンガーハットの新ブランド:従来のチェーン理論は限界(1/2 ページ)
リンガーハットが発表した新業態店舗のコンセプトは「脱・ちゃんぽん」。これまで獲得できなかった顧客を狙う。
リンガーハットは2月19日、新ブランド「EVERY BOWL(エブリボウル)」のコンセプトを発表した。主力の長崎ちゃんぽん事業やとんかつ事業とは異なる新業態店となる。
2月21日から1号店を東京・広尾にオープンする。自分で選んだ麺、ソース、季節の野菜をワンボウルに盛り付けるスタイルで、「インスタ映え」も意識した女性向けの店舗といえる。目標とする初年度の年商は1億3000万円。2020年までに主要都市を中心に20店舗を展開する予定だ。
ちゃんぽんではできないことをする
リンガーハットの川内辰雄執行役員は新業態店を企画した背景について、多様化する消費者のニーズに対応するには「従来のチェーン理論では限界がきているため」と説明する。
メニューの面では日替わりの要素を強く出すことで「今だけ、ここだけ、あなただけ」という「個」のニーズに応えるという。毎日同じ料理を提供する従来の事業では提供できない価値だ。
客単価のアップも狙う。「ちゃんぽんは700円くらいが限界」(川内執行役員)だが、EVERY BOWLが想定する客単価は1300円程度と約2倍だ。
これまでリンガーハットがカバーできなかった商圏も開拓できる。同社はこれまでフードコート、駅前、ロードサイドを中心に出店してきた。EVERY BOWLの業態ならば広尾のようなリッチなブランドイメージを持つエリアにも進出できる。
フードコートを運営する大手総合スーパーからの要望に応える意図もある。店舗の差別化のため「何か新しい取り組みはできませんか?」と相談を受ける場面が増えているという。
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