「休日を毎年3日ずつ増やす」 串カツ田中の狙い:ボーナスも大盤振る舞い(1/2 ページ)
高い離職率に悩まされてきた串カツ田中が新しい福利厚生策を導入する。「外食産業は待遇が悪くて離職率が高い」というイメージを払拭できるだろうか。
串カツ田中は高止まりする離職率を改善するため、2018年度から福利厚生の向上と教育体制の確立に取り組むと発表した。
新たに「夏休み・冬休み制度」を導入して休日を増やす。17年度における休日は本部社員が107日、店舗社員も107日(夏休みと冬休みの2日を含む)だった。18年度からはバースディ休暇と毎年3日ずつの夏休みと冬休みを追加する。18年度の休日は111日、19年度は114日、20年度には117日まで増やす予定だ。
店舗社員を対象にこれまで半期ごとに支払っていたボーナスに加え、新たに四半期ごとのボーナスを支給する。半期ごとのボーナスは業績と社員の評価を加味して支給していた。新たなボーナスは役職に応じて1回あたり3万〜6万円を支給する。年間12万〜24万円の支給増となるがこちらも毎年増やすという。
こういった対策を通じて年間で約30%という社員の離職率低下を図る。
串カツ田中の広報担当者はこれらの福利厚生策を継続して行う条件として「社員の定着率が向上することで社内によい循環が生まれること」を挙げた。削減できた採用費を社員に還元する。今後の採用費は公開しないが「現状から大幅に減らす」(広報担当者)予定だ。
教育体制の見直しとしては、部下のマネジメントに優れた店長のいる店舗で入社後の研修を行う。これまではOJT(職場内訓練)を配属先の店舗で行っていた。しかし「店舗ごとの指導内容にムラがあった」(貫啓二社長)。同一店舗で研修を行うことで研修内容の統一化と同期意識の醸成も狙う。
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