心理カウンセラーが教える、相手の心を開く3つの“きく”ルール:相手の心を開く「傾聴力」(2/5 ページ)
「前の会社では営業成績がよかったのに、転職後はイマイチ伸び悩んでいる」といった悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのでは。例えば、トーク力に自信があるのに成績が伸び悩んでいる人は、どのように改善すればいいのだろうか。心理カウンセラーに聞いたところ……。
相手に満足感を与えるための「聞く」
成績優秀な営業マンは2タイプに分けることができる。1つはAさんのように「話し上手」な営業マン、もう1つはBさんのように「聞き上手」な営業マンだ。決裁権のない同世代の社員なら、Aさんのトーク力は相手を説得させることができたかもしれない。
ただ、相手が会社の経営層になると、説得は単なる「上から目線」となり、嫌悪感を与え、信頼感を失うリスクが高くなる。当然、商品は買ってもらえない。全責任を負ってかじ取りを行う経営者たちは、商品はもちろんのこと、営業マンを信頼し、納得しない限り商品を買うことはないだろう。
経営層に商品を買ってもらうためには、3つの要素が必要である。満足感、信頼感、感動だ。これは、それぞれの言葉を逆転して考えると分かりやすいだろう。
(1)「満足」の反対は「不満」
人は自分の言いたいことを言えないと不満がたまる。不満のある営業マンから商品を買わないのは明白であり、「どのようにしたらお客さまに満足していただけるのだろう?」という姿勢で営業に臨めば、自然と営業マンの会話は話す時間よりも聞く時間のほうが長くなる。
(2)「信頼」の反対は「不信」
信じられない営業マンからはどれだけ商品がよかろうが買うことはないだろう。「口は災いのもと」「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉があるように、人は口達者な人よりも話を真摯(しんし)にしっかりと聞いてくれる人を信頼する。機密情報が多い経営層であればなおさらだ。
(3)「感動」の反対は「当たり前」
あなたが大好きな有名人と話をできるとしたら、相手の一言一句を逃さないように真剣に話を聞くだろう。一方で、会えることが当たり前、そう考えている限り感動は生まれない。
心理的性質としては、商品への満足感、営業マンへの信頼感、感動という、3つの「感情」を使うことによって相手の心が開き、決済される確率が高まるのだ。
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