若者の“クルマ離れ”は本当か 保有率が増加:コンパクトカーが人気(3/3 ページ)
クルマを買える世帯は減少しているとしか思えないが、内閣府の消費動向調査を見ると、2017年度はなんと20代(29歳以下)のクルマ保有率が、47.9%から56.6%に増加しているらしい。
合理性を考えればクルマを保有する必要はない?
一方で、「クルマは持つべきものではない」という意見も年々大きくなっている。カーシェアリングなどはその最たるものだし、日本ではいろんな規制によって、Uberがなかなか広まらないが、その分日本ではタクシーやレンタカーはどの駅に行ってもほとんど不便はない。タイムズのカーシェアリングもいたるところにある。
そもそも、クルマほど使用効率の悪いものはない。ほとんどの人は週末ドライバーだし、一家にクルマが複数台ある家で、全部使っている状況など年に何度もないだろう。
要するに、ほとんど使われてない状態で保有されているわけだ。
そういう合理性を考えれば、必要な時に借りるという選択肢は大正解だろうし、クルマをシェアし合うビジネスはこれからも増加するだろう。
クルマに関する選択に関して問題になるのは、クルマに対する意識の差だろう。クルマは移動手段(コストを含めた合理性)なのか、個性やステイタスの表現なのかの問題だ。クルマが単なる移動手段と考えるならば、クルマを保有する必要はまったくないだろう。
逆に高級車に乗りたいがためにレンタカーを使うという人もいるかもしれないが、カーシェアやタクシーで十分という人は、完全にクルマは移動手段という意識だ。
ある調査によれば、20代の意識調査では、移動手段と捉える人と、個性やセンスの表現と捉える人の割合は拮抗しているという。
「月々3500円〜」の提案は、これら両方の意識を微妙にくすぐるし、むしろ合理的な判断をするのは、高齢者に多く、実際に、タイムズカーシェアの登録も、高齢者の登録が最も増加しているという。
クルマが欲しい若者もたくさんいる。クルマ離れという前に、若者が飛びつくようなクルマをぜひともつくってほしいものだ。(猪口 真)
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