見違えるほどのクラウン、吠える豊田章男自工会会長:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/3 ページ)
2018年の「週刊モータージャーナル」の記事本数は62本。アクセスランキングトップ10になったのは何か? さらにトップ3を抜粋して解説を加える。
2019年が始まった。「週刊モータージャーナル」では、今年もクルマと日本経済にまつわる事々を精一杯書いていきたい。
さて昨年、筆者がITmedia ビジネスオンラインに書いた記事は都合62本。編集部に出したもらった、読まれた記事ランキングトップ10は以下の通りだ。
9. 燃料電池は終わったのか?
ちなみに1位の「え!? これクラウンだよな?」のページビューはダントツだったそうだが、SNSでの拡散など、手応えで言えば3位の「豊田章男自工会新会長吠える!」の方がずっとインパクトが強かったので、結果そのものは意外である。
え!? これクラウンだよな?
2018年6月26日にフルモデルチェンジを果たし、15代目になった新型クラウン・プロトタイプのクローズドコース・レポート記事だ。
タイトルの「え!? これクラウンだよな?」は豊田章男社長が初めて試乗車に乗って発した言葉。かつて、いわゆる日本的旦那仕様セダンの典型であったクラウンは、TNGA世代の世界戦略シャーシーを採用して大幅に生まれ変わった。
パワートレインは、2.0リッター直4ターボ、2.5リッター直4ハイブリッド、3.5リッターV6ハイブリッドの3種を用意し、それぞれにFRと4WDの駆動系が選択できる。
大幅に基礎能力が向上したシャシーとの組み合わせによって走りの水準が引き上げられた。それを体験した豊田社長の驚きが前述の発言につながったわけである。
サーキットのような場所に限るなら2.0は非常に面白い。ターボは低速型のセッティングのため、高回転域では頭打ち感は否めないが、下からグイグイと加速するトルク感と、ハイブリッドシステムなしの4気筒エンジンが生み出す鼻先の軽さはちょっとしたライトウエイトスポーツばりで、これまでのクラウンにはなかったキレのあるキャラクターに仕立てられている。
一方でまさにクラウンらしい粛々とした風格を備えつつも、スポーツセダンとしても通用するど真ん中のモデルが2.5ハイブリッドだ。静かで力強いパワートレインと、良くしつけられた4WDの組み合わせは、路面コンディションが悪くても盤石の信頼が置けるもので、実用セダンとして極めてレベルが高いと感じた。
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