え!? これクラウンだよな?:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)
トヨタのクラウンが劇的な進化を遂げた。今まで「国産車は走りの面でレベルが低い」とBMWを買っていた人にとっては、コストパフォーマンスがはるかに高いスポーツセダンの選択肢になる可能性が十分にあるのだ。
「BMWが欲しいなら一度クラウンに試乗してから決めるべし」。
いやいや、クルマ好きな人に非常識に聞こえることは重々承知している。もちろんクラウンにはキドニーグリルは付いていないし、何より外車じゃない。望むものがそっちなら言っても仕方ないが、今まで「国産車は走りの面でレベルが低い」とBMWを買っていた人にとっては、コストパフォーマンスがはるかに高いスポーツセダンの選択肢になる可能性が十分にある。特に全幅を1800mmに収めた使い勝手の良さを考えると、新型クラウンは得難い1台であるかもしれない。
価格はまだ正式発表になっていないが、トヨタは従来据え置きでいきたいと言う。現行モデルを見ると、下は400万円から上が620万円あたりである。パワートレインは2.0ターボと2.5ハイブリッド、3.5ハイブリッドの3種で、それぞれに全く性格が違う。繰り返すが全く別物だ。
お勧めのど真ん中は、大型セダンらしさと高運動性能を両立した2.5ハイブリッドのAWDである。これは文武両道の見事な優等生。一方で「これがクラウン?」と思うようなライトウェイトスポーツ的ハンドリングが欲しければ2.0だ。これまで「そんなことはクラウンに求めていない」と思われていたような走りが2.0ターボにはある。最後に残った3.5のハイブリッドは、良く言えばバンカラ。悪く言えば粗雑。だいぶレベルが落ちる。
話の骨子は以上である。長い記事が嫌いな人はここから先は読まなくて良い。
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