エンタープライズ:ニュース 2003/04/30 16:51:00 更新


日本IBM、「オープン」を掲げてIBM Software World & developerWorks Live!開催

5月は東京国際フォーラムでマイクロソフトとIBMが大規模なカンファレンスを計画しており、次世代のプラットフォームを検討している企業にはどちらも見逃せない。日本IBMが、同社ソフトウェアの総合イベントとして位置付ける「IBM Software World 2003」&「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」は、Javaやそのオープンさが前面に打ち出され、必ずしもIBMミドルウェア製品に依存しないセッションが数多く用意されているのが特徴だ。

 5月27日から3日間、日本アイ・ビー・エムが、同社ソフトウェアの総合イベントとして位置付ける「IBM Software World 2003」&「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」を東京国際フォーラムで開催する。

IBMは昨年秋、同社CEOのサム・パルミサーノ氏が「e-ビジネス・オンデマンド」計画を明らかにしており、顧客企業がビジネス環境の変化に柔軟に対応できるITインフラストラクチャの提供を目指している。顧客企業は、組織や企業の枠を越えたエンドツーエンドのビジネス統合を求めており、そのためにはオープンでモジュラー化され、さらにオートノミック(自律型)機能が組み込まれたミドルウェアが欠かせない。

 ロータスやチボリの買収によってポートフォリオを拡大したIBMソフトウェアグループは、e-ビジネス・オンデマンド戦略を支えるミドルウェアという視点から、「e-ビジネス統合」「インフォメーション統合」「コラボレーション」、そして「ビジネスインパクト管理」という4つの領域に向けてを製品の再構成を進めている。新たな製品群、「WebSphere」「DB2」「Lotus」、および「Tivoli」だ。

 昨年もWebSphereカンファレンス、DB2 Day、Lotus Forum、Planet Tivoli Tokyoといった一連のカンファレンスを開催した日本IBMだが、今回の総合イベントの開催は、IBMソフトウェアグループによるミドルウェア製品群の再編を受けたものと言っていいだろう。

 5月27日、東京三菱銀行CIO、田中將介常務取締役や米ラショナル・ソフトウェアの創設者、ジェームズ・ランボー氏による基調講演で幕を開ける総合イベントは、経営層やビジネスマネジャーを対象にしたIBM Software World 2003と、デベロッパー向けのIBM developerWorks Live! with WebSphere 2003から構成される。

 無料(事前登録制)のIBM Software World 2003は、WebSphere Day、DB2 Day、Lotus Day、およびTivoli Dayに分かれ、それぞれ16セッションが用意される。各ミドルウェアソリューションの概略が紹介されるほか、Lotus Dayでは「売り上げ拡大」「コスト削減」といったLotus製品で実現される具体的な効果に的を絞ったセッションもある。

 有料となるものの、IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003は、100を超えるセッションが組まれている。Java開発、J2EEアプリケーションサーバ、データベースなど、必ずしもIBMミドルウェア製品に依存しないセッションも数多く用意されているのが特徴で、27日から2日間にわたって行われる「サーバサイドJava入門」は、Javaを始めたばかりのデベロッパーすべてにお奨めだ。この2日間のトラックを受講するだけでも参加費(事前登録 2万8000円、当日3万3000円)以上の価値はあるだろう。また、29日の「オンデマンドへの道」は、Webサービスが1日で分かる特別トラックとなっている。

 統合を準備中のラショナルソフトウェアも、IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003では、ひと足先に5番目のブランドとしてIBMミドルウェアのポートフォリオに加わる。UML(統一モデリング言語)の創設者のひとりであるラショナルのメソドロジスト、ジェームズ・ランボー氏が全体の基調講演を務めるほか、UML入門やRUP(Rational Unified Process)と呼ばれるラショナルの方法論の入門セッションも用意される。

 5月15日、16日には同じ東京国際フォーラムで「the Microsoft Conference + expo 2003」が行われるが、日本IBMはJavaやそのオープンさを前面に打ち出し、マイクロソフトの.NET世界との違いを強調する。4ブランドにRationalを加え、その再編を進めるIBMだが、今回の総合イベントのマーケティング担当者は、「それぞれは独立したビジネスであり、何もWebSphere、DB2、Lotus、TivoliというIBMの一連のミドルウェアを顧客に押し付けるわけではない」と話す。

 むしろ、ミドルウェアはパートナーと一緒にビジネスを構築するものであり、今回の総合イベントはその戦略を具現化したものだという。スポンサーの数は100社を超え、マイクロソフトや日本オラクルを除く主要なコンピュータメーカー、ISV、システムインテグレーター、ディストリビューターが名を連ねれている。

 そのマイクロソフトは先月末、新世代のサーバOSとして「Windows Server 2003」を出荷したばかりだ。次世代プラットフォームを選択する企業は、「IBM Software World 2003」&「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」と「the Microsoft Conference + expo 2003」のどちらも聞く価値があり、比較検討すべきだろう。

関連記事
▼IBM developerWorks Live! 2003 Report

関連リンク
▼IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003
▼the Microsoft Conference + expo 2003

[浅井英二,ITmedia]