| エンタープライズ：ニュース | 2003/05/22 13:22:00 更新 |
IBM Software World直前レポート：第4回 「儲かるLotus」をアピール
IBM Software Worldで日本IBMは「儲かるLotus」をアピールする。「ビジネスは売り上げを伸ばすか、コストを下げるかのどちらか」と話す神戸GMがLotus Dayの基調講演を務めるほか、ブレークアウトセッションには「経費削減」「無駄の排除」といったテーマが並ぶ。
日本アイ・ビー・エムは5月21日、「IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」の開催に先立ち、企業向けメッセージングソフトウェア「IBM Lotus Workplace Messaging 1.0」を出荷開始した。
「Next Gen Mail」のコードネームで開発が進められてきたLotus Workplace Messagingは、WebSphereアプリケーションサーバ上でコンポーネントを走らせ、メッセージはDB2リレーショナルデータベースに格納するもので、Tivoliのシングルサインオン機能も利用する。優れたスケーラビリティによって、費用対効果の高いメッセージングソリューションを全社規模に展開できるという。
1月のLotusphereカンファレンスで、ジャネット・ホラン副社長は、Next Gen Mailの狙いを「当面は、デスクを持たない小売業や製造業の現場スタッフだ」と話している。NotesクライアントやブラウザベースのiNotes Web Accessを配備していたのではコスト的に見合わない現場でも、これならコラボレーションのすそ野を拡大できるというわけだ。
技術的な視点というよりはむしろ、経済の低迷からコストプレッシャーを受けている「経営者の視点」をより重視した製品といえる。
IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003の「Lotus Day」（5月28日）でも、こうした経営者の視点を強く意識した内容になっている。
「ビジネスは売り上げを伸ばすか、コストを下げるかのどちらか。技術者は新製品の情報に興味を持つが、ユーザー部門にとっては“Lotus製品が何を実現してくれるのか”に関心がある」と話すのは、Lotus Dayの基調講演を務める神戸利文Lotus事業部長。
16のブレークアウトセッションでは、「組織の贅肉を徹底的に燃焼させよう！ 経費削減のための先進コラボレーション」や「売り上げを伸ばせ！ ビジネス・マキシマイズのためのNotes/Domino徹底活用法」「無駄を排し新たな成長領域へ最適配置のための人件費削減」といったITカンファレンスには珍しいタイトルが目を引く。これらも、経営者の視点を強く意識したものだ。
「システム部門から見ればパフォーマンスが大切だが、ビジネス的な見地からすれば“それで儲かるの？”という問い掛けになる。顧客はROIを重視しており、われわれはその向上に寄与したい」と神戸氏。
ただし、有償となるものの「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」では、技術者向けのセッションを多数用意する。アプリケーション構築、移行、パフォーマンスチューニングの解説といったテーマが並ぶほか、J2EEやWebSphereといったNotes/Domino開発者にとっては新しく、そしてオープンなNext Gen環境のセッションも行われる。
コラボレーション市場では、Lotus対マイクロソフトという構図が長年続いており、インテルアーキテクチャ、Windows OS、そしてIISに依存したMicrosoft Exchange Serverが、じわりじわりと勢力を広げていることは確かだ。
しかし、神戸氏は、「Lotus製品の差別化ポイントは、オープンさに尽きる」と話す。実際にNotes/Dominoは、Windowsでも動作し、Active Directoryとも連携できる。Next Gen構想の下、Lotus製品のJ2EEコンポーネント化が進めば、WebSphereだけでなく、例えば、富士通のJ2EEサーバであるInterstageでも動作するようになる。
「企業にはさまざまな異機種が混在している。大手でもLinuxの採用が進んでいる。IBMには、サーバ、OS、そしてミドルウェアまで、すべてがそろっているが、オープンを掲げるソフトウェアグループにとっては、インフラは別のベンダーでもかまわない。マイクロソフトともコラボレーション分野では競合関係にあるが、補完関係でもある」と神戸氏は話す。
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IBM Software World 2003 & IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003[浅井英二，ITmedia]
