エンタープライズ:ニュース 2003/06/25 15:52:00 更新


業界挙げてWindows Server 2003の船出を祝う

「業界挙げての発表となった」と期待度の高さを強調するマイクロソフト。6月25日、最新サーバOS「Windows Server 2003」のパッケージが発売となった。米国での発表から遅れること2カ月、日本語版も出そろった。

 マイクロソフトは6月25日、最新サーバOS「Windows Server 2003」日本語版を発表した。「Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)」構想の下で開発され、セキュリティを最優先したために、幾度となく発売を延期してきたWindows Server 2003。米国での発表から遅れること2カ月、日本語版も船出した。これに合わせ、パートナー各社からはWindows Server 2003対応製品の提供も始まった

 Windows Server 2003ファミリーは、「Windows Server 2003, Datacenter Edition/Enterprise Edition/Standard Edition/Web Edition」の4エディションで構成される。上位2エディション、Datacenter EditionとEnterprise Editionでは、64ビット版も投入した。ボリュームライセンスは既に6月2日から販売を始めているが、今回新たにEnterprise EditionとStandard Editionのパッケージ製品が加わり、これで一通りのファミリーが出そろった。

ローディング氏

7月1日付けでマイクロソフトの新社長となるマイケル・ローディング氏がプレゼンテーションを行った


 この日、都内ホテルで行われた記者発表会には、7月1日付けでマイクロソフトの社長に就任するマイケル・ローディング氏が登場。「業界挙げての発表となった」と期待度の高さと自信をアピールした。

 「米国での発表から約2カ月遅いが、これは日本の業界およびマイクロソフトが総力を挙げて発表したかったからだ。ハードウェア、アプリケーション、セールス/サービス、これらが組み合わさらないと意味がない」(ローディング氏)

 今年1月に入ってから、パートナー各社のキーマンを集めたプログラムを全国各地で展開するなど、Windows Server 2003正式発表のこの日までマイクロソフトは精力的に足場を整えていた。

 搭載サーバ75モデル、約250の対応アプリケーションを引き連れての登場ということからもそれは推察できる。Windows 2000の発表時と比べると、その数は非常に多い。また、4月からはパートナーの協力を得て、製品版をベースにした営業・技術・サポート要員のトレーニングを約7000人に対して実施。最終的には1万5000人にトレーニングを行い、その数を倍増させるという。

 Windows Server 2003では製品品質に重点を置いた。3年間におよぶ開発期間の中で、国内では過去最大のマーケティングベータ配布を実施。配布総数は11万コピーを超えた。顧客からのフィードバックを重視してきたためだ。国内で展開されたJR東日本情報システムとの共同開発プログラムからも、貴重なフィードバックを得られたという。

 セキュリティ面では、「Secure by Design」「Secure by Default」「Secure in Deployment」「Communications」の4つを柱に開発を行った。250億円を投じて行われてたコードレビューや開発者のトレーニング、攻撃の対象となりやすい多くの機能の既定無効化、修正プログラムの自動ダウンロードなどは、これらに基づいたものだ。

 マイクロソフトがWindows Server 2003の開発に着手した3年前、企業のIT投資は、投資効果をあまり重視しない時代だった。だが、現在は異なる。ローディング氏は、「現在は、効率化、コストの抑制という課題ある。その中で、新しいことをやりたい。これら要求を満たすところにスイートスポットがある」と話した。マイクロソフトのメッセージ「Do More With Less」だ。

 IT業界にとって状況は厳しいが、ローディング氏は勇気付ける。「IT投資は厳しくとも、情報テクノロジーのさらなる展開はかかせない。業界は、常に顧客が求めているものを提供し続けなければならない」。これが、マイクロソフトがWindows Server 2003にかける思いなのかもしれない。

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[堀 哲也,ITmedia]