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2004/02/18 17:01:00 更新


JTC 2004、UFJ銀行に見る基幹システムJ2EE採用要件とは

システムダウンが即社会問題とさえなってしまう銀行の基幹システム。大手UFJ銀行がJ2EEを採用したことは、もはや周知のこととなっている。Sun 3days基調講演では、その基幹システムの性能要件が語られた。

 Sun 3daysの2日目になる18日、東京・ホテルニューオータニでサン・マイクロシステムズ主催のカンファレンス「Java Technology Conference 2004」の基調講演では、国内でJavaを基幹システムとして取り入れるベンダー代表者が多数登壇した。

 UFJ銀行の事例は、もはや国内で代表格とさえ言われているものであり、Javaの追い風としてたびたび取り上げられる。基調講演には、UFJ日立システムズから小松高子が招かれ、J2EE採用の理由とその要求性能についてを語った。

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基幹システム導入に関わったUFJ日立システムズの小松高子氏


 小松氏は先ず、設計時に確固たるシステムとして設定した目標性能を挙げ、受付件数800万件/7時間、引き落としデータ作成処理が1500万件/2時間という数値を示した。この要件を満たさなければ採用はあり得なかったと言い、J2EEが確かに満たすものとなったことを報告する。

 小松氏はまた、「多重処理による性能向上はもちろん、Java採用のメリットは三井住友との共同開発や、現代では銀行といえども競争力なくしては統合が待ち受けている。いちばんの採用メリットは、ベンダー非依存である点とEJBによる将来の拡張性確保であった」と語る。

 今後の本格稼働に向けての課題にも触れられ、性能品質、業務品質の向上を始め、災害時対応の速さ、コンテンジェンシープランの策定が挙げられている。

 本システムは、6月に本番との並行稼働を開始、9月には本格化稼働との予定だ。

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[木田佳克,ITmedia]

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