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2004/04/30 22:00 更新

dev Java
特集:第1回 いまから始めるEclipse−Windows、Linux対応機能ガイド (11/11)


独自プラグイン導入は容易

 次に、各プラグインに共通する導入手順について紹介しておこう。現在、Web上では多くの開発者やプロジェクトがEclipse対応プラグインの開発をしている。その中には著名なソフトウェアと連携させるプラグインもあれば、まったく独自の機能をEclipseに追加させるものもある。しかし、そのいずれについても導入する際の手順についてはほぼ同じなので、ぜひ覚えていただきたい。そうすれば、読者の方たちが興味のあるプラグインを発見した際、すぐに導入することができるだろう。

 そうとはいえ難しい手順はない。ほとんどのプラグインはzipなどのアーカイブ形式で圧縮し配布されているため、まず最初にダウンロード後、任意のディレクトリで解凍する。

 解凍されたファイル群は、Eclipseのディレクトリへと移動させるのだが、アーカイブの中には、pluginsディレクトリとfeaturesディレクトリがある場合には、Eclipse内のpluginsディレクトリやfeaturesディレクトリと重なるようにする必要がある。それ以外の場合には、pluginsディレクトリの中に直接移動すればよい。後はEclipseを起動するだけでプラグインのインストールは完了する。既に起動済みの場合にはいちど終了した後に、再び起動しなおす必要があるので注意しよう。なお、プラグインによっては新しいプロジェクトやファイルの作成ができるようになる。必要に応じてパースペクティブのカスタマイズにて設定を行うとよいだろう。


プラグインによっては、インストーラがJAR形式で配布されているものもある。その場合には、次のように指定すればインストールができる。
> java -jar [installer].jar

 ほかにどのようなプラグインが配布されているのか紹介しておこう。なお、ここでは使用方法などの詳細な説明は行わないため、興味のあるプラグインについては、配布サイトなどで確認してほしい。

 LombozはEclipseでのJ2EE開発を支援するためのプラグインだ。主な機能として、JSPエディタやTomcat、JBossを始めとするJavaアプリケーションサーバとの連携、またEJBの開発支援などがある。なお、アプリケーションサーバは同梱されていないので、別途インストールしておく必要がある。

 EclipseUMLは、Eclipse上でのUMLによるモデリングを行うことができるプラグインだ。また、クラス図とソースコードの相互生成が可能となっている。クラス図とソースコードの連携により、モデリングからコーディングまでのシームレスな開発を実現する。また、作成したUMLについてはイメージファイルとして出力することも可能だ。なお、現在のところUML1.4に対応しているようだ。また、EclipseUMLにはFree版とEnterprise版があり、Enterprise版では機能が大きく拡張されている。詳しくは公式サイトを参照にしてほしい。

その他のプラグイン−P2P、Wiki実現など

 上記ではJ2EE開発を支援する有名なプラグインを紹介したが、他にも多くの種類のプラグインが存在する。P2Pによるペアプログラミングを実現するプラグインや他言語による開発を支援するプラグイン、XMLやWebサービスに対応したプラグインなど、ジャンルは多岐に渡っている。また、開発に関するものだけではなく、ユニークなプラグインも公開されている。例えば、mp3を再生することができたり、Wikiの環境をEclipse上で実現するようなプラグインもある。公式サイトや検索サイトを活用することでさまざまなプラグインを発見することが可能だろう。ぜひ試してみてほしい。

新版Eclipse 3.0は6月にリリース

 この特集では、Eclipse2.1についての解説を行ってきた。しかし既にEclipes3.0の開発が行われており、原稿執筆時点ではEclipse3.0M8が公開されている。Eclipse3.0では動的なプラグインのインストールやリファクタリング機能の充実、CVSプラグインのSSH2対応など魅力的な機能が多数追加されている。こちらについても公式サイトからダウンロードが可能なので、最新のEclipseをいち早く体験したい方はインストールしてみるとよいだろう。なお、正式版リリースは6月の予定となっている。

進化し続けるEclipse

 Eclipseの魅力についてお分かりいただけたであろうか。Eclipseは現在進行形で開発が進められているプロジェクトであり、プラグインについても日々新しいものが追加されている。

 Eclipseに関する情報は公式サイトを始めとしたWebサイトや書籍など、多くの場で公開されている。この記事をきっかけとして、読者の多くがEclipseの導入を検討いただければ幸いだ。

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[萩原 充,ITmedia]

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