2時間の処理が数十秒に:高速分析でスピード経営を実現──女性向け衣料品通販大手のイマージュ

カタログ通販大手のイマージュは、NECの高速データ処理ソリューション「InfoFrame DataBooster Lite」を導入。以前は数時間も費やしていたデータ抽出をわずか数十秒に短縮し、迅速で的確な分析による戦略的なマーケティングを実現した。


tu_nec_1016_01.jpg 香川県高松市の通販大手イマージュ

 香川県高松市のイマージュは、女性向けの衣料品やバッグなどを取り扱う通信販売大手だ。オンライン・ショッピング・サイト「イマージュネット」でインターネット販売もしているが、主力はカタログ通販で、20代の女性向け「IMAGE」と、30代以上向け「IMAGE ROUGE」という2つのブランドを展開している。

 同社は膨大な顧客リストを抱えており、カタログは顧客のニーズに応じつつ、購買確率の高い顧客を優先して絞込み、的確に送付する必要がある。この顧客リストの絞り込みには分析ソフトウェアの活用が不可欠だ。イマージュはNECの高速データ処理製品「InfoFrame DataBooster Lite」を最大限に活用し、問題を解決している。イマージュ事業部マーケティング部販売促進課の奈良卓也氏に詳しく聞いた。

顧客リストという財産を生かす

 カタログ通販市場は「自宅で買える」利便性と「カタログでしか買えない」という商品価値の相乗効果で拡大してきた。だが、膨大な数のカタログを制作し配布するにはコストが掛かり、さらに受発注業務や物流のコストも重くのしかかってくる。そのため、カタログ通販業者には厳しいシステム要件が課せられる。カタログ制作や受発注業務のコストをいかに削減するかが経営効率に直結するからだ。このため、システム要件には直接的なコストの削減はもちろん、顧客のニーズを的確に把握し、売れる商品を開発するために必要不可欠なツールの導入と活用も要求される。

 「顧客リストは財産ですが、日々増える一方。そのため新しいカタログを制作すると、送るべき顧客を絞る必要があります。膨大な顧客リストを一定の条件で検索し、送付するべきお客様のリストを抽出する作業が欠かせません」(奈良氏)

「小回りが利かない」システムを改善

 同社はこれまで、基幹システムのデータベースを基盤にする一方、情報系システムとしてOracle上にデータウェアハウス(DWH)を構築していた。そのデータをマイクロソフトの「Access」で活用、各種の分析をしていた。問題は、OracleからAccessにデータを抜き出す時間だ。

 例えば、顧客リストから100万人のリストを取得する場合、1つのフィールドに1バイトのデータしかなくても全体の容量は100万バイトに膨れ上がる。フィールドのデータが1Kバイトでも、全体の容量はその100万倍。「従来のDBでは、重く、処理しにくいデータになるのです」(奈良氏)

tu_nec_1016_03.jpg イマージュのデータ分析のイメージ図

 顧客の購買状況の分析は生命線。DWHで詳細な分析をする手前の基本的なデータの生成に2、3時間も費やしていた。イマージュはこれを大きな課題として認識していた。「これでは組織的に小回りが利かない」と奈良氏は話す。販促担当者が追加企画立案のため、「2年前の同じ時期の販売データが欲しい」と要求しても、そのデータを起こすのに「3日待ってください」という事態が起きる。

 Accessの使い方にも改善の余地があった。Accessで生データにクエリをかけても処理が遅い。分析結果の検証に時間がかかる。「抽出したデータのピントがずれていると作業のやり直しが発生し、何回もやるとすぐに3〜5日くらい経ってしまう」状況だった。

 このように、顧客リストからの基本データ抽出に悩んでいたときに、NECの高速データ処理製品「InfoFrame DataBooster Lite」に出会った。

 NECは、企業内の各システムに散在する情報を統合し、より効果的に活用するミドルウェア製品群として「InfoFrame」を2007年4月に体系化。DataBooster LiteはこのInfoFrameを構成するソフトウェアだ。DataBooster Liteの最大の特徴は、オンメモリのエンジンによるデータの高速処理だ。テーブル結合やレポート作成で行われる集計、クロス集計などのデータ加工を高速に処理できる。通常のDBと比べて数十倍も処理が高速であるため、現場の担当者が気軽にデータを参照し、好きなように分析できる。

 奈良氏は「とにかく“速い”の一言。通常なら1、2時間待たされる処理が数十秒で完了します。経験したことがない速さでした」と第一印象を語る。

RFM分析で顧客を見る

 イマージュの生命線であるカタログは、20代のOL向けのIMAGEと、「お姉さん版」ともいうべきIMAGE ROUGEの2つ。季節ごとに年4回発行している。つまり、イマージュは年間8冊のカタログを発行している。IMAGEの掲載商品はすべて独自企画だ。「消費者が本当に欲しいファッションだけを集め、24時間、ちょっとおしゃれな生活をお届けしています」と奈良氏はアピールする。

tu_nec_1016_04.jpgtu_nec_1016_05.jpg 20代の女性向け「IMAGE」(左)と、30代以上向け「IMAGE ROUGE」(右)

 もちろん裏では商品の売れ筋や購買履歴の分析が不可欠。データベースのOracleに購入明細が大福帳のようにそろっており、そこから分析用の元データを生成するわけだ。データソースとなるデータベースが複数あったり、Oracle やSQL Server など異種のDBが混在すると、データの収集だけで多くの工数を要する事態になりかねない。NECは、このような問題を解決するためのDataCoordinator製品などInfoFrameに多くの製品群を用意している。ところで、顧客の購買分析で中心的な手法としてイマージュが採用しているのがRFM分析である。RFMはそれぞれRecency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の略。ある顧客が、最近いつ買ったか、何回買ったか、幾ら買ったかを調べる。顧客の行動や購買履歴から、優良顧客のセグメンテーション化などを行う典型的な顧客分析手法だ。RFMの指標の数値に基づき順位を付けることで、上位にランクされる優良顧客を割り出せる。

 このRFM分析業務もDataBooster Liteで効率化した。新カタログを発送する場合、RFM分析で新しい切り口を設定しようとすると、金額や購入回数などのグループ分けのパターンを追加しなければならない。全購買レコードに処理が及ぶため非常に時間がかかる。そこで、DataBooster Liteを導入したところ、処理速度が速いため切り口を変えた参照も簡単にできるようになった。「Accessでクエリをすると何十分とかかっていたものが数秒で完了します。作業時間が大幅に短縮化します」と奈良氏は満足げに笑う。

分析結果をDM発送以外にも生かせれば

tu_nec_1016_02.jpg イマージュ事業部マーケティング部販売促進課の奈良卓也氏。InfoFrame DataBooster Liteでデータ分析の効率向上に取り組んでいる

 商品視点で分析することもある。商品分析は商品番号や申し込み番号から、商品の動きを見る手法だ。イマージュの商品開発は神戸オフィスが拠点だが、手早く詳細な商品分析の結果が新商品の開発に生かされる可能性は大きいという。奈良氏は、幾つかの展望を示してくれた。

 「顧客にカタログを送付し、その後、手早く日ごと・週ごとの詳細な売り上げを把握することができます。その結果を神戸オフィスの商品開発部隊が活用し、新しい商品開発に生かせるのではないかと考えています」(奈良氏)

 日々の商品の動きを追うことで浮き彫りになるものがある。例えば、在庫不足による販売機会のロス、出荷後に返品された商品の数などだ。奈良氏は「DataBooster Liteを使って、こうした情報を定点観測できる仕組みが構築できれば」という。大量データの高速加工により、カタログ掲載商品を変更できるギリギリまで数字の動きを見極めることで、より売れ筋に近い商品を開発できる。

 「顧客にとっても利点があります。いつも“旬な商品”が手に入るのです」(同氏)

把握することで現状を打破できる

 奈良氏はDataBooster Lite導入の効果についてこう話す。

 「テストマーケティングの分析結果や、次に実施したいマーケティングに関わる顧客がどんな行動をしているのかといった情報を、何度も試行錯誤しながら取得できるのはとても重要です」

 というのも、1つの分析に数時間、時には数日かかる状況では、試行錯誤は許されないからだ。DataBooster Liteによって結果が早く見えるようになればそれだけ早く準備ができる。より多くの売れ筋商品を新しいカタログに盛り込められれば 「業績向上に直接貢献できるかもしれない」(奈良氏)。DataBooster Liteはそれを可能にするツールといえる。スピード経営にも生かせる。従来は、時間がかかり過ぎていた作業を、「短い期間でゆっくり」検証しながらできる。結果として意思決定が迅速になるわけだ。

 最近になりカタログ通販が伸び悩む一方で、消費者のネット通販へのシフトが鮮明になってきた。イマージュはネット通販にも力を入れ始めた。ネットの方が顧客の動きも、モノの流れもさらに速く、商品ライフサイクルも短い。商品企画担当者がDataBooster Liteを使えば、顧客の好みをすばやく割り出し、有力な新製品の開発と市場へのすばやい投入が可能になる。同様に、営業担当が利用すれば、社内のデータを自由に分析し、より成約の確度が高い顧客を見つけ出し、アタックできるようになる。イマージュでは、少人数の商品企画担当者が分析にDataBooster Liteを活用しているが、NECはこのような商品分析を多人数で行うのに適した大規模な案件にも対応可能なDataBooster製品も用意している。従来は、分析目的や対象が変わるこうしたシステムを構築するには億単位の費用が必要だったが、DataBooster Liteならわずかな投資で済む。売り上げアップを期待できる積極的なIT投資であり、今後の経営者に求められる取り組みの1つといえる。

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提供:日本電気株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年11月7日

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