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» 2009年03月02日 10時00分 公開

ビジネスサービス強化の要:データの統合と連携をワンセットで捉え、競争力の向上を

企業システムをサービスとして拡充させようという動きが急ピッチで進んでいる。経営から末端の現場にいたるまで、データ活用によるビジネススピード向上が主な目的だ。この試みには、既存システムに蓄積されたデータの統合と各種アプリケーションとのスムーズな連携が欠かせない。

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「現場重視」の経営が本格化する

 日本を代表する企業、トヨタ自動車の豊田章男次期社長は各方面で「現場重視」の発言を繰り返している。もちろんこの考え方はトヨタだけのものではなく、「かつてない緊急事態」に直面している多くの企業で、改めて見直されているフレーズだ。

 現場の業務を支援するシステムを優先的に考える、こうした動きが今多くの企業で検討され始め、また、具体的なプランとなって着手されつつある。いわゆるビジネスサービスという発想だ。多くの人が利用しやすい、サービスとしてのシステム活用を目指さなければ、従来行われてきた「社内データの活用」も次第に鮮度を失うのではないか、という危機感が現れ始めているのだ。

 しかし、的確で使いやすいサービス化を進めるには、いくつかの越えなければならない壁がある。その代表がデータの統合と他のアプリケーションとの連携だ。

 企業システムの中で、複数のデータベースが存在し、それぞれのデータベースに固有のデータが厳密に整理されずに蓄積されているということは、今でも散見される。各部門ごとに個別に設置されたサーバの中に、これまたそれぞれの判断で購入されたデータベースソフトなどが搭載され、部門内のみで運用されている、といった例だ。また、複数の企業が合併して設立された企業などでは、旧会社がそれぞれ事業部門になり、人事交流も進んではいるが、データベースおよびデータの統合はできないままでいるというケースもある。

 また、生産や物流部門などでも合併や事業統合なとで、製品、部品、出荷時のロット番号などが現場ごとに違うという事例もある。これに対して独自に作成したプログラムをかませることで、統一した番号に揃えて各種データを組み合わせ、生産予測や各現場での業務の割り振りなどを決めている、といった企業もある。

 こうした状況は、一部の「ITリテラシーの低い企業」で見られる実情ではない。マネジメントレベルが高いと目される、優良企業などでもそんな現状を抱えていることは珍しくはない。もちろん、生産やサプライチェーン、物流などの基幹系システムは高いレベルを保っている。しかし同じ会社の現場や経営企画部門がデータを扱う場合は非常に属人的な運用でしのいでいるケースが多い。

 ある企業でこんな話を聞いたことがある。その企業では人事異動で事務系のスタッフが新しい部署に配属されると、必ず1枚のCDを渡されるそうだ。その中身はどこのデータベースのどのフォルダに何のデータが入っているか、そして、配属先で必ず必要とされる会議用のデータ作成方法手順という内容だそうだ。つまりデータが統合されていない状態でも、情報のありかと作業手順をマニュアルとして、必要な複数の元データを手元に落とし込み、Excelなどを使って手作業で整理するわけである。

手作業に戻ってしまう事態を改善する

 こうした状況で問題となるのは、まず、スタッフの生産性の低下、そしてタイムラグと作られたデータの精度だ。

 作業に慣れてきたとしても、やはり手作業では限界が生じるし、ケースバイケースで要求されるデータの種類が違うと、ルーチンワークとして流していくわけにもいかない。また、各担当者がデータを端末まで引き寄せてきていては、いくら作業時間を短縮したとしても、リアルタイムで状況を把握することは不可能だ。また、精度に関して常に不安がつきまとうことは否めない。

 それでも、まだ統一の取れていないデータを統合することは、一定の時間をかけて各部門でコンセンサスを取りながら進めれば、乗り越えることは可能だ。一方それ以上に難しいのが、各種データを扱うアプリケーション同士の連携だ。データの統合後に内部でうまく連携させなければ、データ活用の生産性は上がらない。製品や部品の型番などのデータは毎日、もしくは数時間ごとに変更されたり、追加されるものではない。一度統合してしまえば、追加の漏れがないようにすればいい。しかし、こうした静的なデータではなく動的なデータ、つまり営業関連データや日々の生産、物流情報、コンタクトセンターから入ってくる情報、また、受発注情報などのデータを連携させて、経営判断に役立つ一覧性のある情報に加工するには、各アプリケーションの連携が必要になる。連携させなければ、データを統合しても結局は手作業が必要ということになり、統合にかけたコストに対する費用対効果は非常に低いものになる。

 昨今、営業管理ツールとして、SaaS系のアプリケーションを活用するケースが増えてきている。こうした場合でも同様に、SaaS系アプリケーションに入力されたデータを、他の社内システム上のアプリケーション、例えば基幹システムなどと連携させることで、経営や現場に役立つフレッシュな情報を得ることができる。

 ネットワーク上であれ、社内システム上であれ、アプリケーションの連携は今後の各業務現場の生産性向上に大きく影響することは確実だ。つまりデータ統合だけで満足するのではなく、その先にあるアプリケーションの連携もセットに考えることで、多くの作業負荷を低減させ、「必要な情報を最も新鮮な形で確認できる」ということが可能になる。

 このように企業システムのサービス化は、確かにいくつかの壁がある。しかし、現場重視の経営への回帰を、今、この時代に実現させるには避けては通れない道だといえるだろう。生産性の向上は、確かにどの企業にも課せられたテーマだが、業務データの統合と連携をその具体的手段とすることで、今後多くの成果が期待できるはずだ。

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提供:エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年4月30日