10年先の運用基盤を見据え:クラウド時代を見据えた効率の良い業務運用を支える最新JP1のジョブ管理機能

企業内にクラウドコンピューティング環境を構築する「プライベートクラウド」が次世代ITの潮流として注目されている。そこで重要性を増しつつあるのが、業務の自動化だ。日立の統合システム運用管理「JP1 Version 9」には、業務を自動化・効率化するための優れた機能が用意されているという。


クラウドコンピューティング時代のジョブ管理機能

 仮想化技術によるサーバ統合が本格的な導入期を迎えた今、次世代の潮流として注目されているのが、クラウドコンピューティングである。とりわけ、企業内のデータセンターにクラウドコンピューティング環境を構築するプライベートクラウドは、サーバとアプリケーションが一体化して扱われた従来の企業システムに変革をもたらす技術として大いに注目されている。

 クラウド環境では、これまで部門単位で管理していた業務システムがデータセンターに統合される。各部門はデータセンターから提供されるシステムリソースを利用し、その上でサービスとして稼働するアプリケーションを構築することになる。システムを統合することでコストメリットが期待できるのに加え、ハードウェアの管理を切り離すことによる運用の負荷が軽減されるという利点がある。

 実際、ITmedia エンタープライズと調査会社のアイ・ティー・アール(ITR)が9月1日に公表した調査結果によれば、「クラウドコンピューティングの利点」として回答者が挙げた要素は「自社で資産を持つ必要がない」が57.8%となり、トップであった。「サービス開始までの時間が短い」(47.0%)という回答も約半数を占め、またコスト関連では「トータルコストが低い」(28.9%)、「運用コストが低い」(27.2%)という回答も目立った。つまりユーザーはクラウドに対し「サービスインまでの時間が短くなり、かつ導入コストも運用コストも下がる」ことを期待しているのだ。

クラウドコンピューティングの利点。有効回答数は419件。出典:ITmedia リサーチインタラクティブ/ITR(2009年9月) クラウドコンピューティングの利点。有効回答数は419件。出典:ITmedia リサーチインタラクティブ/ITR(2009年9月)

 しかし、ユーザーがプライベートクラウド化を推し進めた結果、運用においては新たな課題も発生すると考えられる。例えば、ITリソースを統合することにより、ひとつのサーバが処理する業務量が増加する。これまでは、夜間に処理が終了していた業務も、他業務の影響を受ける場合があるため、時間内に処理が終わらないという事態が発生する可能性がある。ミッションクリティカルな業務で、このような事態が発生すれば、企業にとって大きな損害となりうるのだ。ひいては、本来クラウド化の目的であった運用負荷やコストの削減という目論見が外れてしまうことにもなる。

 このように変わり行く企業システムを意識して大幅な機能強化が図られたのが、日立の統合システム運用管理「JP1 Version 9(以下、JP1 V9)」だ。従来から高い評価を得ている優れた操作性を継承しながら機能・性能に磨きをかけ、業務のサービスレベルを低下させない工夫が盛り込まれた最新のJP1を導入すれば、サーバ仮想化やクラウド環境にも、柔軟に対応できるFlexible&Smartな運用管理を実現できるという。その概要を紹介しよう。

サマリー監視画面でリアルタイムに業務の進捗状況を把握

 クラウド環境における課題としてまず挙げられるのが、業務の処理状況をいかに正しく把握するかという点だ。データセンターのサーバに複数の業務を集約すると、ハードウェアをまとめて管理できるというメリットがある反面、ある業務で問題が発生した際、ほかの業務まで影響を受ける危険性が高くなるというデメリットがある。

 そうした危険性を最小化するには、それぞれの業務の処理状況を把握することが、いっそう重要になる。例えば、ある業務に想定していない大量のデータ処理が発生し、その影響で関連する業務が遅延するというのは、あり得ない話ではない。そのような時であっても、業務のサービスレベルを維持するには、複数の業務のうち、“どの業務が何パーセントの進捗であるか?”といったリアルタイムの処理状況を一元的に把握する必要がある。また、問題が発生した業務が、ほかの業務に与える影響範囲を迅速に特定できることも必須の要件だ。

 それを実現するためにJP1 V9の新しいジョブ管理「JP1/Automatic Job Management System 3」(以下、JP1/AJS3)に追加された新機能が「サマリー監視画面」である。この画面に重要な業務を監視するように設定しておけば、どの業務がいつ始まり、どれだけの進捗で稼働して、いつ終了するのかがひと目で分かる。状況に異常があれば、それが警告として表示される。業務担当者は、この画面を確認することで、遅延が発生した業務を見つけ、優先度の低い業務を後回しにして、優先度の高い業務を先に終わらせるといった判断を迅速かつ柔軟に行える。これにより、クラウド環境に業務を移行しても、重要な業務が遅れる事態を防止できる。

サマリー監視画面で重要なジョブを表示し進捗状況を把握。迅速な対処が可能になった サマリー監視画面で重要なジョブを表示し進捗状況を把握。迅速な対処が可能になった

変更処理の負荷を軽減して業務の自動化をさらに推進

 2つ目の課題は、システム運用管理者の負荷をいかに軽減するかという点だ。複数の業務を集約すると、当然のことながら運用担当者の作業負荷が上がり、作業ミスや業務の中断といった問題が発生しかねない。

 そこで必要になるのが、業務の管理を業務担当者が行える仕組みである。その仕組みを利用して、業務の変更処理を自動化できれば、業務を止める必要もなく、オペレーションミスの発生も回避できる。JP1 V9のJP1/AJS3では、こうした変更処理に関する機能が強化されている。

 JP1 V8以前の旧バージョン「JP1/AJS2(JP1/Automatic Job Management System 2)」の場合、変更処理を行うには改訂版のジョブネット(業務)を作成し、運用中のジョブネットのスケジュールをいったん停止して手動で切り替えなければならなかった。業務を止めることのできないジョブネットでは、別の名前のジョブネットを作成して業務を移行し、正常に稼働してから変更処理前の名前に戻すといった工夫が必要だった。

 それがJP1 V9のJP1/AJS3では、同じ名前で改訂版のジョブネットを作成し、業務を止めることなく指定した日時に自動的に切り替えることが可能になった。もちろん、ジョブネットが正常に稼働するかどうかをあらかじめ確認できるテスト機能も備えられている。変更処理を自動化できるようになるため、手動で行う場合に比べ、 運用担当者の人件費削減にも大きく寄与することだろう。

現在の業務運用を止めずに、新旧の運用切替を自動化できる 現在の業務運用を止めずに、新旧の運用切替を自動化できる

 さらに、データセンターの運用担当者と現場の業務担当者の役割を明確にするために、JP1/AJS3の画面のメニュー構成はユーザー自身が詳細にカスタマイズすることが可能になっている。例えばデータセンターの運用担当者の画面には、「システムに関して必要な項目のみ」を表示し、また業務担当者の画面には「業務に必要な項目のみ」を表示するというように、関係のないメニューを表示させないようにできるので、操作効率の向上のみならず、誤操作によるトラブルの抑止効果も期待できる。

アーキテクチャの一新により性能を向上

 3つ目の課題は、業務の処理量の増加に伴う速度低下をいかに防止するかという点だ。クラウド環境では複数の業務を集約して稼働させることになるわけだが、当然のことながら特定のシステムにデータ処理が集中すると、業務の実行の遅延を招くおそれがある。万一、当日中に終えなければならない業務が翌日になっても終わらないのなら、業務の信頼性は損なわれ、サービスレベルも低下してしまう。

 こうした速度低下を防止するために日立が取り組んだのが、JP1/AJS3の性能向上だ。システムが集約されても信頼性を確保し、負荷が増大しても性能が担保できることを目指してジョブ起動エンジンのアーキテクチャを一新。従来はファイル上で行っていた処理の一部をメモリ上で実行するように変更したほか、ジョブ起動制御をスケジュール制御ごとに多重化した。

 これによりJP1/AJS3は、JP1/AJS2と比較して、ジョブ起動性能を8多重で約10倍、4多重で約6倍の性能改善を実現(日立の測定結果による)した。また多重化されていないジョブでも、約2倍の性能向上が見込めるという。多重化されたジョブはそれぞれ独立したプロセスとして動作するため、あるプロセスに障害が発生しても、ほかのプロセスに影響を及ぼすこともない。

 従来のJP1/AJS2の性能も決して遅いわけではなく、むしろ速度に関してはユーザーの満足が高い部分だという。その上で今回、さらなる性能向上を図ったのは、企業システムがクラウド環境に徐々に移り変わるとともに、ジョブの増加が予想される今後10年間を見据えた施策と位置付けられる。

 また、ユーザーの効率向上を支援するため、操作性も多数改善されている。JP1製品サイトより、体験版の申し込みが可能だ。ぜひ、改善された操作性を体験していただきたい。

 2009年7月末に出荷開始となったJP1 V9だが、多くの企業がJP1/AJS2からJP1/AJS3への移行を進めているという。バージョンアップも容易な手順と操作ででき、最新の便利で効率的な機能と高速化された性能を享受できコスト削減により力を発揮する。もちろん、これまで利用してきた資産であるジョブネットの互換性も保証されている。



提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年10月31日

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