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“Lotus Knows”が具現化:IBMエグゼクティブの「スマートな働き方」にコラボレーションの未来を見た

日本IBMの岩野和生氏は、グローバルにビジネスを展開する米国IBMの経営陣とも頻繁にやり取りするエクゼクティブである。世界各地にあるIBMの拠点をまたにかけて活躍する同氏にとって、IBM Lotus Knowsにより提供されるコミュニケーション環境は、業務に欠かすことのできないツールになっているという。


ツールの発展により変化するワークスタイル

日本IBM 未来価値創造事業 執行役員 岩野和生氏 日本IBM 未来価値創造事業 執行役員 岩野和生氏

 日本IBM 未来価値創造事業 執行役員の岩野和生氏は、最初に野洲工場でインフォメーションエンジニアとして、その後、留学を経てIBM東京基礎研究所に所属する研究者としてIBMにおけるキャリアをスタート。1995年から2000年には第3代東京基礎研究所長を歴任するなど、主に研究畑を歩んできた。

 2001年に米国IBM トーマス J ワトソン研究所に着任し、世界で初めてコンピュータが自律的に管理するオートノミック コンピューティングの研究に参画、同プロジェクトをリードした。2003年には、当時の最先端技術として開発が進められていたグリッド コンピューティング、オートノミックコンピューティング、およびWebファウンテンなどの日本・アジア地区先進事業担当になり、学界や政府機関とのパイプ役やビジネス推進者として活躍した。その後、日本IBM 大和ソフトウェア開発研究所長を経て、現在はクラウド コンピューティングやグリーンITなど各事業を横断的に扱う「未来価値創造事業」を担当する執行役員を務めている。

 東京基礎研究所長時代、岩野氏は多い時には年に20回以上も、米国をはじめとする世界各地のIBM研究拠点に出張していたという。

 「2000年までは、世界にまたがる強い組織を作るためには、研究者同士が直接会う必要がありました。世界8カ所にある研究所のディレクターと主要メンバーが集まり、徹底的に議論するというフェーズを繰り返し行ってきました。その頃はすでに、電話会議の仕組みもIBM Lotus Notesも駆使していましたが、まずは顔を合わせてディスカッションする必要がありました」(岩野氏)

 当時は、海外の拠点に直接出向かないときでも、週に2、3回は電話会議を行っていたそうだ。会議の資料は事前に送り合い、その資料を見ながら電話会議を行っていたと岩野氏は振り返る。

 そうしたワークスタイルに変化が表れたのは、2000年以降だという。

 「2000年を過ぎた頃から、IBMは意識的に働くスタイルを変え始めました。米国ではすでに、オフィスにデスクを持たない社員が数十%います。同じ業務に携わる社員も全世界におり、働く場所は関係ありません。それを実現したのが、コミュニケーションやコラボレーションを実現する各種ツールの技術的な発展でした」(岩野氏)

組織を越えたディスカッションを実現

 先進的な技術の研究開発に取り組む現職では、海外とのコミュニケーションが毎日のように行われている。それでも岩野氏は、海外出張が大幅に減ったという。

 「今は、IBM LotusLiveにミーティングスペースを作成し、そこでファイルを共有してディスカッションを行うことが一般的です。リアルタイムの会議は、IBM Lotus Sametimeを利用しています」(岩野氏)

 LotusLiveとは、米IBMが2009年1月から開始したクラウド コンピューティングを基盤にしたビジネス向けソーシャル ネットワークおよびコラボレーション統合サービスのこと。Webベースのオープンスタンダードな基盤上に構築されており、他社のサービスと容易に統合できるという特徴がある。Lotus Sametime は、セキュアなインスタント メッセージングやWeb会議などの機能を提供するユニファイド コミュニケーション ツールのことだ。

 こうしたツールの活用は、IBM社内におけるコミュニケーションやコラボレーションに限ったものではない。

 「組織を越えたディスカッション、例えば調査会社のアナリストや大学の教員、他社の社員との議論も、IBMの社内と同じ感覚で行っています」(岩野氏)

 社外とのコラボレーションを実現するツールは他社の製品やサービスもいくつか存在するが、岩野氏はIBM Lotus ソリューションには優位性があると話す。

 「LotusLiveには、ミーティング機能やファイル共有などさまざまな機能がありますが、その中でも優れていると言えるのが、セキュリティを重視している点です。特にファイルは、個々のアクセス権をコントロールできるのはもちろん、“誰がいつ閲覧したか”も確認できます。また、ビジネスパートナーのアプリケーションと融合できる点も非常に大事なことです」(岩野氏)

 なお、社内外のメンバーが集まる会議では、メンバー同士が裏側でLotus Sametimeを立ち上げ、内輪で相談したり耳打ちしたりするのに利用しているという。Web会議を頻繁に行っている人ならではの知恵だといえよう。

業務に欠かせないミッションクリティカルなツール

「暗黙知を形式知化する作業をツール化することで、より高次元な思考に集中できる」と岩野氏 「暗黙知を形式知化する作業をツール化することで、より高次元な思考に集中できる」と岩野氏

 このように、社内外を問わず、PCのデスクトップ上でコミュニケーションやコラボレーションを行うことが多いという岩野氏だが、普段はどのようなポータルで仕事をしているのだろうか。

 「Lotusではマッシュアップ機能が用意されており、htmlを書かなくてもポータルをカスタマイズできますが、わたしはhtmlで作成した自分専用のポータル画面を使っています。常日頃から、利用する項目を画面上部に配置し、必要な要件を確実に把握できるようにしています。ワークスタイルが変わり、社員同士が離れて仕事をするとなると、会社の考えを発信してシェアすることは難しくなります。そのためにポータルは重要な役目を果たしますが、その点IBMは非常に努力し、組織がバラバラにならないように補完しています」(岩野氏)

 業務に必要な情報収集も、ポータルを使うという。

 「エンタープライズ サーチ システムには、大和ソフトウェア研究所が開発したOmniFindを活用しています。社内の情報を検索するには、OmniFindのようにアクセス コントロールやポリシー コントロールがきちんとできるシステムが欠かせません。このOmniFindは、Lotus製品に組み込まれているものです」(岩野氏)

 このように業務の隅々までIBM Lotusが提供するツールを利用する岩野氏は、“今やツールなくしては仕事にならない”と話す。

 「現実的にはわたしも、(ネットワークが利用できない事態を想定した)多様なセーフティネットを作っていますから、仕事がまったくできないということにはなりにくいでしょう。とはいえ、頭には“暗黙知と直感”しか残っていませんから、暗黙知を形式知化するためのツールがなくなってしまえば、困ることは間違いありません。その意味で、これらは本当にミッション クリティカルなツールです。例えば、LotusLiveのようにパブリッククラウドのサービスであっても、今後はベストエフォート型では立ち行かなくなると考えています」(岩野氏)

成功の鍵を握るのはリテラシーの向上

 また、業務を効率化するポータルを作成するには、マネジメントする立場にある人にリテラシーが求められると岩野氏は指摘する。

 「ポータルは、情報の検索方法や収集の仕方、オペレーションやデータの持ち方などの標準化を図ることで、組織全体の仕事の質を向上させる戦略的なツールになります。画面はいわば“土地”であり、そこにある空き地をどのように利用するかという部分が、組織の戦略と位置付けられるでしょう。インタフェースの見た目だけにこだわってしまった“戦略なき画面”であってはいけません。ですから、マネジメントする立場にある人には、使う側の立場を考えられる素養が求められます」(岩野氏)

 とはいえ、「押し付けでは組織は伸びない」と岩野氏は話す。

 「組織が手取り足取りこうすべきだと決めてしまうと、その組織の社員は伸びません。大事なのは、原理原則のメッセージだけを出し、実際のインプリメンテーションは、スタッフに考えさせることです。それにより、組織を構成する各人が工夫をするようになり、その工夫が、経験として蓄積されていきます」(岩野氏)

 岩野氏は、業務を効率化する上でコミュニケーションやコラボレーションを実現するツールが不可欠だと考えるが、一方で日本特有の課題も懸念している。

 「日本人は、安いとか速いとか、あるいは見た目が良いと飛びつく傾向にあると感じます。ところが、その製品に何かのトラブルが起きると、世論が一斉に反対へ振られてしまう。例えば今は、個人情報が1件でも漏れてしまうと謝らなければならない世の中になっています。このため日本の産業界は萎縮し、競争力を失っている面があると感じます。Lotusのツールもそうですが、組織を越えたコラボレーションには必然的にといっていいほど情報漏洩のリスクが生まれます。しかし、あるときにトラブルが起きてしまうと、世間がこの新しい流れを止めかねません。米国では、リテラシーの高い人たちがユーザーの中枢にいますが、日本もそこの部分がもっと強化されるといいと思います」(岩野氏)

 ネットワークやソフトウェア技術の発展により、業務を効率化するツールがどんどん登場している。そのツールを正しく運用するリテラシーを身に付けることが、“スマートな働き方”につながるのだろう。



提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年3月16日

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