ファイルとブロックを横断運用できるユニファイドストレージがデータ活用を加速する“ビッグデータReadyなストレージ”という視点

大量の情報を収集、蓄積して活用する、いわゆる「ビッグデータ」は、現在最も注目されるITのトレンドだ。日立製作所が「Hitachi Storage Solutions」の製品ラインアップに追加した新機種は、まさにビッグデータをにらんだものとなっている。

» 2012年06月27日 10時00分 公開
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ビッグデータを意識したコンセプト“One Platform for All Data”

日立 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 企画本部 ストレージ企画部 山本康友部長

 ネットワークログ、センサーデータ、POSデータ……地球上では今この瞬間も、膨大な量のデータが生まれている。これまでは、その大半がそのまま捨てられていたが、ITの進化によってすべてのデータを収集、蓄積してリアルタイムで分析し、ビジネスに利活用しようという動きが始まった。いわゆる「ビッグデータ」時代の到来である。

 このビッグデータをにらみ、各ベンダーは対応製品の投入を本格化させている。日立製作所(以下、日立)もその中心的な1社であり、ビッグデータにおけるITの課題を解決するための製品開発を進めてきた。

 「ビッグデータ時代では、簡単・効率的にデータを格納し、いつでもどこからでも安全にデータを活用できることが必要です。また、格納や検索などの処理速度の向上、変化に対応できる柔軟性や俊敏性、さらに導入・運用コストの削減や省電力化なども同時に求められます。こうした信頼性、即応性、最適なコストを実現するために、日立は大量のデータを効率良く蓄積し、知識化した情報をビジネスに自在に活用できるITプラットフォームとして“One Platform for All Data”というコンセプトを掲げています」と日立 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 企画本部 ストレージ企画部の山本康友部長は話す。

ミッドレンジクラスをユニファイドストレージに一新

 このコンセプトを実現すべく、日立が重点的に取り組み始めたのが、「ユニファイドストレージ」だ。ブロックデータ用のストレージ(SANストレージ)と、ファイルデータの格納に使われるストレージ(NAS)を1台に集約する ユニファイドストレージは、世界の主要ストレージベンダーが最も注力している分野でもある。

 その新製品として日立は、2012年4月に「Hitachi Unified Storage(HUS)100シリーズ」を発売した。これは、実績のあるミッドレンジクラスのストレージ「Hitachi Adaptable Modular Storage(AMS)2000シリーズ」の後継製品と位置付けられるもの。AMS2000シリーズは、ミッドレンジクラスのストレージとはいえ、エンタープライズクラスの企業で使われるストレージ仮想化機能を搭載するなどして、機能強化が図られてきた。さらに今回、多種多様なデータを集約できるユニファイドストレージとして製品ラインアップが一新されたわけだ。

 「HUS100シリーズは、AMS2000シリーズの現行製品に比べてストレージ容量が2倍の最大2.8ペタバイト、性能は約3倍まで向上しています。ストレージのボリューム容量仮想化(シン・プロビジョニング)を標準機能として搭載しており、ストレージプールをブロックデータ、ファイルデータの両方で共用することが可能です。また、ストレージ装置内のメディア階層間でデータを自動的に再配置するHitachi Dynamic Tieringを新たに搭載(※)し、ストレージコストと運用負荷の低減も図ります。AMS2000シリーズの高信頼性を継承しつつ、ビッグデータに対応できる即応性と、コストの最適化を実現しています」と山本氏は話す。

※2012年度第3四半期(2012年10〜12月)に提供予定

大量かつ多様なデータを集約する拡張性を備えるHUS

 HUS100シリーズには、「HUS110」「HUS130」「HUS150」の3モデルが用意されている。各モデルは、コントローラがサポートする最大ディスク数、ホストインタフェースポート数、キャッシュメモリ容量などに違いがある。最小構成は、2Uのコントローラボックス(HUS110/130の場合、最大24ドライブ)1台から。最大960ドライブ(HUS150の場合)までの拡張性が確保されている。

 ストレージには、省電力性に優れた2.5型SASハードディスクを選択できるほか、SSDにも対応。長時間アクセスしないディスクをRAIDグループ単位でスピンダウンするMAID技術を応用したパワーセービング機能も搭載している。

独自の重複排除技術を採用したバックアップストレージも投入

 日立は、HUS100シリーズをベースに、バックアップ用途向けのファイルストレージも発売した。「Hitachi Capacity Optimization(HCO)」である。

 HCOは、HUS100シリーズをベースに、日立が独自に開発した重複排除ソフトウェアを導入した製品だ。

 「HCO用に日立が新開発した重複排除ソフトウェアは、“対象となるデータに合わせて重複排除方式を自動選択する”という技術が使われています。多世代バックアップの環境で使用すると、HCOはディスク上に保存されているデータとバックアップするデータを比較し、重複部分を除いた新規データのみを圧縮保存します。この機能により、バックアップ運用時のストレージ容量を最大20分の1にまで削減できます」(山本氏)

 データ削減率が20分の1の場合、重複排除時の最大論理容量は、7.6ペタバイト(最大物理容量は384テラバイト)にもなるという。

 HCOのもう1つの特長は、従来のバックアップ業務を変更することなく導入できることだ。バックアップサーバ経由の運用を想定しており、LANに接続されたバックアップ先のストレージをHCOに置き換えるだけで重複排除によるデータ量の削減が可能だ。ちなみに、バックアップ処理と重複排除による圧縮処理は重ならないようにスケジュールを組むことができるので、バックアップ性能を確保しつつ、データ量を大幅に削減することができる。

 日立では、新製品に合わせてストレージ管理機能も強化している。HUS100シリーズには、日立のストレージ管理ソフトウェア「Hitachi Command Suite」の基盤製品「Hitachi Device Manager」が標準で提供される。これを使うことで、HUS100シリーズやHCOはもちろん、ハイエンドストレージの「Hitachi Virtual Storage Platform」、仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」、クラウド向けバックアップ/アーカイブストレージの「Hitachi Content Platform」など、既存の「Hitachi Storage Solutions」製品群も含め、プロトコルが異なるすべてのストレージを同一のユーザーインタフェースで統合的に一元管理することが可能になる。

今夏にはハイエンドNAS製品の国内投入も決定

 日立は、今回の新製品とは別に、新しいNAS製品「Hitachi NAS Platform」の国内投入も表明している。世界的なSANストレージベンダーとして認知されている日立だが、NAS製品の強化にも注力している。従来、米国法人のHitachi Data Systemsにて、ファイルストレージ専業ベンダーの米BlueArc社製ハイエンドNAS製品を「Hitachi NAS Platform」としてOEM販売していた。2011年9月にはHitach Data Systemsがこの米BlueArc社を買収、日立のファイルストレージ製品ポートフォリオを強化した。

 旧BlueArc社のNAS製品は、米国では高信頼・高性能のファイルストレージとして、科学技術計算、医療、通信、エネルギーをはじめとする幅広い業界で販売されている。同社のNAS製品には、複数の筐体を接続した並列処理によって高いデータ処理性能を実現するという特長があり、大規模なファイルストレージの統合にも最適だ。日立はそのハイエンドNAS製品を、「Hitachi NAS Platform」というブランドで、2012年度第2四半期(7〜9月)に国内でも販売を開始する予定だという。

 「Hitachi NAS Platformを、ビッグデータ時代に増え続ける大量のコンテンツを蓄積し、高速に検索・分析できるハイエンドファイルストレージとして国内のお客様に提供します。ビッグデータを扱う顧客ニーズに応えられる製品ラインとして注力していきます」と山本氏は話す。

 日立のストレージビジネスは、急激な円高にもかかわらず堅調に業績を伸ばしており、2011年度には3510億円の売上実績を達成した。2012年度は、ボリュームゾーンであるミッドレンジクラスにHUSやHCOを投入していくことでさらなる伸長を目ざし、2015年度には4500億円の売上を目標にしているという。

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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年7月26日