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» 2012年08月09日 10時00分 UPDATE

uCosminexus Navigation Platform導入事例:手順書作成のプロに聞く――経営スピードを向上させる「業務標準化」にどう取り組むか

業務のノウハウは蓄積したいが、雇用の流動化などを考えると属人化は避けたい――多くの企業にはこのような二律背反の状況が存在している。その解決の糸口になるのが、ノウハウ共有の仕組みをシステム化するツールと標準化設計を支援するプロによる「コンテンツ作成サポートサービス」だという。

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業務の属人化は企業にとって大きなリスク

 「仕事は身体で覚えろ」「先輩の仕事のやり方を盗め」――新入社員に対してこのような心得を伝授してきた企業は少なくない。実際、仕事の厳しさや、自ら積極的に仕事に取り組む姿勢の重要性を説くための、普遍的な価値を持っている言葉だといえる。

 しかしながら、こうした育成方針はすべての場面においてベストだとは限らない。長引く不況や、シェア獲得競争の激化を背景に、各企業とも現場に新たに投入した人材に一刻も早く仕事を覚えてもらい、すぐに成果を出してほしいと願っている。そのため、いわゆる「以心伝心」といった旧来のやり方だけでは、人材立ち上げのスピード感が不足してしまうのだ。

 また、雇用の流動化や少子高齢化といった社会の大きな動向も、こうした傾向に拍車をかける。例えば、それまで特定の業務を一手に担ってきたベテラン社員が退職してしまえば、企業はそこで膨大な業務ノウハウを失ってしまう。もちろん、後任者に業務をきちんと引き継げれば特に問題はない。しかし、特定の社員に業務遂行を大きく依存してきた現場では、得てして業務ノウハウは属人化しがちで、業務手順書やマニュアルの類がきちんと整備されていることはまれだ。そのため、どうしても引き継ぎに漏れが生じる可能性がある。

 引き継ぎの問題は、人材の入れ替わりが激しい職場では、一層深刻だ。人が辞め、入ってくるたびに発生する引き継ぎの手間と時間は、本来注力すべきメイン業務を大きく圧迫し、ひいては会社の業績全体に悪影響をおよぼしかねないからだ。

 こうした問題を解決するには、まずは業務を標準化する必要がある。そのためには、業務に紐づく一連の作業を見える化することが重要になる。具体的には、作業を目に見える形として「手順書」などに整備し、それを現場の誰もが参照できる体制を整えなければならない。ある日突然、業務担当のキーパーソンが職場からいなくなっても、あらかじめ必要となる作業の流れや内容が整理され、可視化されていれば、業務継続に与える支障を最小限に抑えられるのだ。

紙や電子ファイルの手順書が抱える問題

unavi2.jpg 日立テクニカルコミュニケーションズ 企画制作部 第2グループ グループリーダー 磯部靖子氏

 こうした企業のニーズを汲み取り、業務可視化の支援サービスを広く提供しているのが日立テクニカルコミュニケーションズだ。同社は、日立製作所(以下、日立)が開発するソフトウェア製品のマニュアル制作を主な業務とする企業だが、これと並行して、長年に渡るドキュメント制作業務のノウハウを駆使した「業務手順書の作成サービス」も提供している。同社 企画制作部 第2グループ グループリーダー 磯部靖子氏は、このサービスの内容について次のように説明する。

 「わたしたちは、業務の標準化や、マニュアル化を目指す企業から依頼を受けて、業務手順書の作成サービスを提供しています。単にドキュメントを作成するだけでなく、顧客から詳細な業務内容を直接ヒアリングし、作業の手順をきちんと体系化した上で手順書を作成しています」

 こうして制作された手順書は、紙に印刷した形や、あるいはPDFをはじめとした電子ファイル形式で顧客に提供される。しかし、紙や電子ファイルの手順書は、運用上の問題を生じさせることが少なくないと磯部氏は指摘する。

 「紙や電子ファイルで手順書を用意しても、現場スタッフがそれを読み込み、覚えるとは限りません。また手順書からさらに別の資料やシステムを参照する手間も発生するため、一層手順書を見なくなってしまいます。さらに、手順書の内容を更新する際にも、いちいち更新版をユーザーに配布したり、新しい版を参照したりするよう通知する必要があるため、漏れが生じます。こうした理由から、手順書の利用が形骸化してしまい、ノウハウが共有されていかないケースは、決して少なくありません」(磯部氏)

「Navigation Platform」が切り拓く次世代の「ノウハウ共有ソリューション」

uCNP.jpg Navigation Platformで業務手順を可視化

 日立テクニカルコミュニケーションズはこうした課題を克服するため、業務上のノウハウを共有するソリューションを、日立の新たなサービスとして提供している。そこで重要となるのが、ノウハウ共有の仕組みをシステム化する日立のミドルウェア製品「uCosminexus Navigation Platform」(以下、Navigation Platform)だ。Navigation Platformは、業務で必要となる作業の流れをフローチャートとして定義し、その実行を制御するとともに、フローの中に含まれる個々の作業内容を詳細に記述し、ビジュアルなコンテンツとしてユーザーに提示できる製品である。

 こう聞くと、いわゆる「ワークフローツール」のことを連想される方も多いかもしれない。しかし、Navigation Platformはこうした既存のツールとは異なり、これまでにない新たなジャンルを切り拓く製品だといえる。ワークフローツールは、決済処理のシステム化が主目的であるが、Navigation Platformは作業の手順をシステムとして可視化することが目的となる。そのため、必要に応じて他のシステムと連携させながら、業務に必要となる一連の流れを漏れなく確実に進めるための機能を備えている。

 ユーザーはNavigation Platformの画面から、業務アプリケーションを直接呼び出して利用したり、Webサイトやドキュメントファイルのリンクをコンテンツの中に埋め込むこともできる。Navigation Platform上で必要な作業が完結するため、ユーザーは異なるシステムをいちいち使い分けたり、ドキュメントファイルの在り処を探したりする必要がなくなる。

 またフローチャートや、作業内容を示すコンテンツの内容を、ユーザー自身が簡単に編集できる点も同製品の大きな特徴だ。そうして編集した内容は、Navigation Platformを利用するユーザー全員に対して一斉に反映されるため、紙の手順書を配布する場合と比べて属人化するリスクが減少し、安定した業務品質を保つことができる。

 こうした業務改善の効用以外にも、コスト削減効果も期待できる。事実、実際にNavigation Platformを導入したユーザーがその効果を測定したところ、業務に新たに配属された社員の作業を覚えるスピードが大幅に向上し、生産性が数倍以上に向上したという。またベテラン社員にとっても、ルーチンワークに費やす時間が減ったことで、より付加価値の高い仕事に専念できるようになった。

 日立テクニカルコミュニケーションズでは、同社のサービスを支えるプラットフォームとして、このNavigation Platformに大きな期待を寄せているという。

 「Navigation Platformは、現場ユーザーにとっても管理者にとっても、『これさえ見ていれば、業務に必要な作業のすべてを網羅できる』と感じさせてくれるソリューションです。業務手順書の制作を長年手掛けてきた立場から見ても、紙の書類や電子ファイルに代わる、次世代の業務支援ソリューションとして大きな可能性を感じています」(磯部氏)

システム運用管理業務へのNavigation Platform適用事例は?

 ここまで紹介してきたNavigation Platformの特徴は、大勢の人員が共通の定型業務に携わる職場において、特に大きな導入効果を発揮する。例えば、システム運用管理業務もそうしたものの1つだ。日立テクニカルコミュニケーションズが実際に支援サービスを提供したある企業では、システムトラブル対応の業務にNavigation Platformを活用しているという。

 「その企業では従来、システムトラブル対応の作業手順が明確に定義されておらず、属人化していました。そのため実際の手順においても、トラブルの原因によって問い合わせ先やエスカレーション先が異なっており、トラブル対応の流れは細かく枝分かれしています。そのため、作業手順が可視化されていない状況では、担当者によってどうしても対応のばらつきが出てしまうのです」(磯部氏)

 このケースでは、ヘルプデスクの電話対応からトラブル原因の切り分け、技術部門やベンダーへの問い合わせに至るまで、トラブル対応業務に関わる作業の流れをNavigation Platform上でフローとして定義し、抜本的な改善を図ることになった。とはいえ、何もないところから業務に必要な作業手順を洗い出し、Navigation Platformのコンテンツを作成するのは、ユーザーにとっては荷が重い。そこで、業務手順書の制作で定評のある日立テクニカルコミュニケーションズに、コンテンツ制作の支援を仰ぐことになったのだという。

 一方で、Navigation Platformの最大の強みの1つは、ユーザー自身がフローとコンテンツを編集できる点にある。今回のケースでも、日立テクニカルコミュニケーションズがすべてのコンテンツを作成するのではなく、代表的な作業手順をいくつかピックアップしてそれに対応するコンテンツを作成し、その後にユーザーがそれを参考にしながら他のコンテンツを自力で制作・編集していくという方針が採られた。またコンテンツそのものだけでなく、後にユーザーが自力でスムーズにコンテンツを作成できるよう、コンテンツ作成のためのガイドラインをドキュメントにまとめ、提供したという。

 「Navigation Platform自体のマニュアルを弊社で作成していることもあり、その使い方についてのナレッジが社内に多く蓄積されています。それを生かして、より使いやすいフローやコンテンツを作るための作業手順をドキュメントにまとめて提供しました。おかげでこのお客さまからは、『やはりプロの仕事は違う』と高い評価をいただけました」と磯部氏は話す。

Navigation Platformによるコンテンツ作成支援をサービス化

 実は、前項で紹介したソリューションのサービスは、「uCosminexus Navigation Platform コンテンツ作成サポートサービス」という名前で提供されている。そのサービス内容は、既に紹介したように「業務ヒアリング」と「実際のコンテンツ作成」、そして「ガイドラインの作成」だ。

 前述の通り、Navigation Platformでコンテンツを作成する作業は、比較的簡単だ。だからといって、単にテキストを並べただけのコンテンツでは、ユーザーも積極的にシステムを活用しようという気は起きない。その点、ユーザビリティの専門家の支援を仰ぐことには大きな意味があると磯部氏は指摘する。

 「テキスト1つとっても、強調したいポイントをどのように表現するべきかといったコツが多く存在します。また、ボタンの種類と配置やコンテンツの色合いを変えるだけでも、ユーザーにとっての使い勝手が変わります。まずはこうした点について専門家のアドバイスを仰ぎ、その後はその内容を基に自分たちでコンテンツを作っていくやり方をお勧めします」(磯部氏)

before.jpgafter.jpg ワークフロー画面のビフォー(左側)とアフター(右側)。「ここでやること」を明示したり、要点を「ポイント」として注記したりすることで作業者が迷わないよう配慮している

 Navigation Platformでフローを定義するに当たっても、業務全体のフローを一気に作ろうとするのではなく、いくつかの単位に分けた作業ごとにフロー設計を進めた方が効率的で間違いが少なくなるという。「uCosminexus Navigation Platform コンテンツ作成サポートサービス」では、こういった細かい点も含め、顧客企業ごとに特有のニーズに沿った具体的な作業ガイドラインを作成し、ドキュメントにまとめた上で提供する。

 「Navigation Platformでは、基本的に誰でもコンテンツを作成できます。だからといって、作る人によってコンテンツの内容や粒度がばらつき、統一感のないコンテンツになってしまってはいけません。そうなると使い勝手は悪くなるし、後々のメンテナンスも困難になります。ですから“初めの一歩”についてはコンテンツ作成の専門家の支援を仰いだ方が、結果的に時間とコストの削減にもつながるでしょう」(磯部氏)

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年9月8日