IT資産管理の精度向上と工数削減を両立――千代田化工建設が選択したライセンス管理のマネージドサービス管理業務を減らし、攻めのITへ投資

注意を怠ると経営リスクにもつながる「IT資産管理」。しかし、他の業務もある中で十分なリソースを割き続けるのは困難……。そんな悩みを抱えていた千代田化工建設がたどり着いた結論は、ウチダスペクトラムの「ITAMマネージドサービスpowered by Flexera Software」だった。

» 2018年02月21日 10時00分 公開
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 システムはサイロ化されているが、ソフトウェアのライセンスは、会社で一括購入しているため、複数のシステムにまたがって利用している――そんな企業は少なくないだろう。

 今、社内でどんなソフトウェアが、どのハードウェア上で稼働しているのか。仮想化やクラウドで企業のIT基盤が急速に複雑化する中、実態の把握や管理が難しくなっているが、時にそれは重大な問題を引き起こしてしまうのだ。

 エンジニアリング業界大手の千代田化工建設も、そんなソフトウェア資産管理の問題に悩んでいた企業の1つだ。故意ではなくとも、コンプライアンスに違反してしまう可能性が付きまとうし、ベンダーから莫大な追加ライセンス料を請求されるケースもある。しっかりとした管理の下、自社が持つライセンス資産のコンプライアンス状態を把握し、コントロールする方法はないか。2014年ごろから、同社は資産管理ソリューションを探し始めたという。

photo エンジニアリング業界大手の千代田化工建設は、プラント建設事業を柱に、AIソリューションの開発など幅広い事業を展開している(Courtesy of Qatargas Operating Company Limited)

ユーザー企業が、IT資産管理にリソースを割くことは難しい

photo 千代田化工建設 ITサービスセンター長 保坂成利氏

 もちろん、同社もこれまで全くライセンス管理をしていなかったわけではない。しかし、グループ会社を含めた5000人を超える企業で、環境の進化に伴って変化し続ける、複雑なライセンス契約を人の力で管理をするのは限界が来ていた。ITサービスセンター長の保坂氏は次のように話す。

 「IT部門内にソフトウェアごとにライセンス担当者を付けていましたが、一元的に管理していたわけではなかったため、人によって管理の方法が異なっていたり、実態との乖離が起きたりしていました。

 また、変わり続けるライセンス契約の条件に対して対応するのは厳しく、資産の棚卸しをする際にも膨大な時間がかかります。実稼働しているソフトウェア全体を把握するだけで、長いときには3カ月ほどかかることもありました。そこで『きちんとツールで管理できないか』と考え始めたのが、ちょうど4年ほど前のことでした」(保坂氏)

 その後、半年くらいかけてセミナーなどでIT資産管理について情報を集め、6社ほどのソリューションを比較検討したという。同社が重視したのは「最新のコンプライアンス状態を管理できる対応力」だ。変わり続けるライセンス契約の条件に対応し、最新のコンプライアンス状態をきちんと管理すること。当たり前のように聞こえるかもしれないが、これが非常に難しい。

 ソフトウェアを購入した直後はコンプライアンスを順守した運用ができていても、ライセンス契約の体系や運用条件が契約更新ごとに変わるケースが多く、数年もたてば、購入時とはまるで異なるライセンス契約の条件になっていることもある。

 ライセンスの使用権は足りているか、どんなエディションをどれだけ持っているのか、ライセンス契約の利用規約条件に違反していないか――。「全てのソフトウェアに対して、最新のコンプライアンス状態を正しく把握するのは、一般的な企業では至難の業です」と保坂氏は指摘する。

photo 千代田化工建設 ITマネジメントユニット コーポレートICTセクション 梶原俊生氏

 さまざまな要素で比較検討した結果、千代田化工建設ではウチダスペクトラムの「ITAMマネージドサービスpowered by Flexera Software」を採用し、サーバ内にあるソフトウェアの管理に導入した。採用の決め手となったのは、ウチダスペクトラムがソフトウェア管理業務をアウトソーシングするサービスを提供していた点だ。

 「エディション管理やライセンス契約の利用規約条件違反の可能性など、1ユーザー企業ではカバーし切れない点について、きちんと確認してフィードバックしてくれる。そういったサービスを継続的に展開しているのはウチダスペクトラムだけでした。ある意味で“一人勝ち”と言ってもいいと思います」(同社 ITマネジメントユニット コーポレートICTセクション 梶原俊生氏)

資産管理ツールを導入する前に“やるべきこと”

 こうして、2016年の秋から導入計画を作り始め、ベースラインの構築も進めていった。ライセンスを管理していた人は10人以上いたため、情報集めに苦労したほか、サイロ化したシステムにバラバラに適用されていたライセンスの把握が難しかったという。

 「例えば、Oracleのデータベース1つとっても、技術系で持っていたり、コーポレート系で持っていたりと業務単位で持っています。バージョンアップなども、各アプリケーションの担当者が判断していたため、横串で一元管理するのは非常に大変でした」(保坂氏)

photo 千代田化工建設 ITサービスセンター 菊池俊介氏

 こういった状況の中で、ライセンス管理に必要な情報の整理やシステムの構築についても、ウチダスペクトラムと週1回のペースで打ち合わせを行い、アドバイスをもらっていたという。

 「打ち合わせの中では、本当に細かな工程の1つ1つにまでアドバイスをもらいました。各メンバーが暗黙知として持っているようなノウハウも、ルールとして明文化することが非常に大切なことだと気付けたのは大きかったです。明確な基準を決めておかないと、人はそれぞれの考えやレベル感で仕事をしてしまう。それでは、運用の段階でつまずいてしまいます」(同社 ITサービスセンター 菊池俊介氏)

ライセンス確認にかける時間が激減、「もう間違えない」安心感も

 その後、約半年かけてシステムを構築し、2017年3月に本稼働が始まった。保坂氏は「ライセンスの確認にかかる時間が激減した」とその効果について語る。

 「これまでは、アプリケーション単位で担当者が管理作業を行っていたため、ライセンス管理にどれだけの工数が割かれているかを把握できていませんでした。今では月に20時間ほどで済んでいます。期末など時期によって変動はあるとは思いますが、平均すると1日当たり1時間程度ですね。

 今はライセンス管理の仕組みを根本から見直し、ソフトウェア購入の依頼は必ずライセンス契約を管理するチームに連絡が行くようにし、ライセンス契約書のデータをウチダスペクトラムに送り、契約上の問題がないかといったことを相談します。問題がなければ、それで導入が進みますし、問題があればそこをピンポイントで調べ直せばいい。導入やバージョンアップのプロセスにライセンス管理を組み込んだので、生産性はかなり高まったと感じています」(保坂氏)

 ライセンス管理をアウトソースすることで、現場からはコンプライアンス違反を犯す“不安”がなくなったという。システムの本稼働から約1年、これまで特に大きなトラブルもなく、順調に業務が行えているそうだ。

 「管理業務については、非常に楽になりました。これまでは『ひょっとするとライセンスが足りていないのではないか』『漏れている項目があるのではないか』という不安がありました。本当にこれでいいのだろうか、と。今はウチダスペクトラムに相談できるので、安心感があります」(菊池氏)

管理コストを減らし、「攻めのIT」への投資を進める

 サーバ関連のソフトウェア管理で一定の効果を得た千代田化工建設だが、今後はITAMマネージドサービスで管理するソフトウェアの対象を広げていく予定だ。

 「まずは対象とするソフトウェアを増やしていくという方向性です。例えばセキュリティソフトなど、数多く導入しており、効果が高いものから手を付けていこうと計画しています。もう1つは、PCなどのエンドポイントに関するソフトウェアについてもきちんと管理すること。プラント建設においては、日本だけではなく海外で仕事をする人も多いです。彼らにはもちろんPCは持たせていますが、その資産をどう管理するかが、今後の課題として挙がっています」(梶原氏)

photo 「ITAMマネージドサービスpowered by Flexera Software」におけるライセンス管理画面の例。所有ライセンスと利用状況を一覧できる

 一方で、管理業務の負荷が減ったことで、新たに分かるようになったことや、やるべきだと感じていた業務へと時間を割けるようになった、というのもアウトソーシングの大きな効果だ。

 「監視し、コントロールできるIT資産の範囲が増え、しっかり管理ができているという実感も湧いてきているので、他の物事についても、『同じようにやるとうまくいくのではないか』『こう変えた方がいい』と考えられるようになりました。今までは、本当の情報がどこにあるのかも分からず、そうした新しい取り組みを考えるだけの余裕も、あまりなかったように思います」(菊池氏)

 「定期的に棚卸しをしていたわけではありませんが、今思えば、集計すれば相当な時間を割いていたように思います。われわれのようなIT部門からすると、管理業務に時間とお金を使うのは嫌なのです。

 私たちは運用業務だけをやっているわけではなく、当然、社内アプリケーションの開発なども行っています。いわゆる“攻めのIT”ではないですが、より高い価値を生む業務にできるだけ人やお金を回したい。現状、運用系は全業務の5割ぐらいを占めていますが、その割合をもっと減らす必要があるでしょう。そういう意味でも、今後もアウトソーシングを含めた、ウチダスペクトラムのサポートに期待しています」(保坂氏)

 最近では、働き方改革などのトレンドもあり、人工知能やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、人間が行う定型業務を減らそうと動く企業が増えてきている。生産性が低い業務を手放し、本来やるべき業務へ――。そういった観点でも、リソースを割きにくいソフトウェア資産管理を“専門家”に任せた千代田化工建設に学ぶところは多いはずだ。

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提供:ウチダスペクトラム株式会社
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