Google、「Google Latitude API」公開で位置情報アプリ開発を促進:ジオターゲティング広告拡大へ
Google Latitudeの位置情報を利用した、帰宅直前にエアコンを入れてくれるアプリや渋滞情報アプリが登場するかもしれない。
米Googleは5月19日(現地時間)、年次開発者会議「Google I/O」において、位置情報アプリを開発するためのAPIをGoogle Labsで公開したと発表した。APIの正式名称は「Google Latitude API」(リンク先はGoogleの開発者向けサイト)。APIを公開し、サードパーティーによる位置情報アプリの開発を促すことで、検索連動型広告「AdWords」の位置特定広告配信数増を狙うとみられる。
Google Latitudeは、モバイル端末のGPSやWi-Fi基地局のデータを利用して位置情報を共有するサービス。ユーザーがこのサービスを有効にしていると、Googleのアカウント情報で現在位置が表示されるほか、自分の移動履歴を保存したり、友人同士が近づくとアラートを表示する機能(β版)を利用することができる。
位置情報関連アプリの可能性を広げるのが同API公開の目的。同社はこのAPIを使った以下のようなアプリの例を挙げている。
- ユーザーの現在位置から判断し、帰宅直前に自宅のエアコンをオンにするアプリ
- ユーザーの移動履歴に基づいて、通勤ルートなどの交通渋滞を通知するアプリ
- 現在地と離れた場所でクレジットカードが利用されたら警告するアプリ
- 移動履歴に基づいて、旅先で撮影した写真を地図上に表示できるようにするフォトアルバムアプリ
また、Google Buzz立ち上げ時にプライバシー設定で批判を浴びたこともあり、Google Latitudeのプライバシーの設定について、サードパーティーがユーザーのデータを利用できるのはユーザーが許可した場合のみであることを強調している。
また、同API公開のもう1つの目的として、モバイル端末への負担軽減が挙げられる。位置情報を利用するアプリがそれぞれに別の方法でデータを取得しようとする場合、複数のアプリを立ち上げているとバッテリーの消耗につながる。同社は、すべてのアプリがGoogle Latitudeのデータにアクセスすれば、負担は減らせるとしている。
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