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Chapter 2:Windows NT 4.0のTCP/IPサービス 〜WINSとDHCP〜

2.5 WINSサーバーとクライアントの設定

 所有しているデータベースのレコードを削除する間隔や,Windows NTのWINSクライアントの名前を定期的に更新する間隔は,WINSサーバー側で設定することができる。WINSクライアント側では,基本的にWINSサーバーのIPアドレスを指定するだけである。ここではWINSの設定について説明する。

2.5.1 WINSサーバーの構成
 所有しているデータベースのレコードを削除する間隔や,WINSクライアントの名前を定期的に更新する間隔を設定するには,WINSサーバーに次のようなパラメータを指定する。

Table 2-3 WINSクライアントの名前を定期的に更新する間隔を設定するパラメータ

パラメータ 意味
書き換え間隔 このパラメータは,クライアントがNetBIOS名を更新する頻度を表す。Windows NTのクライアントでは,有効期限の半分の間隔で更新する。デフォルトで,Windows NT 4.0やWindows 2000は144時間(6日),Windows NT 3.51で96時間(4日)である
廃棄間隔 レコードの状態がRELEASED(解放)からTOMBSTONE(廃棄)に移行するまでの時間を指定する。デフォルトの値は,書き換え間隔とWINSデータベースの複製間隔に依存する。通常は,96時間(4日)である
廃棄タイムアウト レコードの状態がTOMBSTONE(廃棄)になってから実際にレコードが削除されるまでの時間を指定する。デフォルトの値は,書き換え間隔とWINSデータベースの複製間隔に依存する。通常,Windows NT 4.0やWindows 2000では144時間(6日),Windows NT 3.51では96時間(4日)となっている
検査間隔 レコードが有効であるかどうかを検査する間隔を指定する。これは,ほかのWINSサーバーが所有しているレコードに対する検査である。デフォルトの値は,廃棄間隔に依存する。通常は576時間(24日)である

 WINSデータベースに静的なアドレスを定義することもできる。このような登録方法を「静的マッピング」と呼ぶ。静的マッピングは,「NBT(NetBIOS over TCP/IP)は使用できるが,WINSは使用できない」というコンピュータをあらかじめ登録しておくために用いられる。WINSを使用できるコンピュータであれば,静的マッピングで登録するのではなく,WINSを使用するように設定しておくことが推奨されている。なお,静的マッピングで定義されたレコードには,有効期限がない。また,クライアントが送信する名前登録要求によって上書きすることもできない。利用する場合は注意が必要である。

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