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Chapter 2:Windows NT 4.0のTCP/IPサービス 〜WINSとDHCP〜

2.5.2 WINSクライアントの構成

 WINSクライアントでは,WINSサーバーのIPアドレスを指定するだけでよい。Windows NTでは,[コントロールパネル]の[ネットワーク]を実行して[プロトコル]パネルを開き,[TCP/IPプロトコル]のプロパティから[WINSアドレス]パネルを開いて設定する。Windows 95やWindows 98では,[コントロールパネル]の[ネットワーク]を実行して[ネットワークの設定]パネルを開き,[TCP/IP]のプロパティから[WINS設定]パネルを開いて設定する。

 ここでは,プライマリWINSサーバーとセカンダリWINSサーバーのIPアドレスを指定することができる。万一WINSサーバーがダウンしても問題なく名前を解決できるように,複数のWINSサーバーを指定できるようになっている。ここで指定されたプライマリWINSサーバーとセカンダリWINSサーバーは,必ず相互にプッシュ/プルパートナーとして構成されていなければならない。クライアントは,この2つのWINSサーバーを次のように使用する。

  • 名前照会要求に対し,プライマリWINSサーバーが応答しない場合,セカンダリWINSサーバーに名前照会を要求する。
  • プライマリWINSサーバーに対して名前照会を要求したが,その名前が解決できなかった場合には,セカンダリWINSサーバーに名前照会を要求する。
COLUMN:WINSとDNSの連携

 Windows NT 4.0のDNSサーバーは,WINSサーバーと連携させることができる。この機能を利用すると,DNSサーバーに対する名前照会要求にWINSサーバーが応答するようになる。これにより,WINSで動的に登録された名前を,DNSでも解決できるようになる。この機能は,ほかのDNS製品にはない,Windows NT 4.0のDNSに特有のものである。正引き(ホスト名からIPアドレスへの変換)と逆引き(IPアドレスからホスト名への変換)の両方をサポートしており,Windows以外のクライアントがWindowsのサーバー(IISなど)と接続するときに利用される。いうまでもなく,この機能はWindowsのサーバーがDNSに登録されていない場合にのみ必要となる。DNSサーバーに登録されているのであれば,DNSサーバーのみで名前を解決できるので,この設定は必要ない。また,Windowsのクライアントしかない場合は,DNSの名前解決であっても,最終的にはNetBIOSで名前を解決することになるので,この機能は必要ない。通常TCP/IPでWebなどのサービスを提供しているサーバーは,固定されたIPアドレスを持ち,DNSにも登録されているはずなので,この機能を利用する機会はほとんどないだろう。この機能を利用した場合の動作の詳細は,『DNS and Microsoft Windows NT 4.0』で紹介されている。必要であれば,一読することをお勧めする。


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