今回の利用調査のまとめに入ろう。今回の焦点はなんといっても「ブロードバンドの普及」に尽きる。ユーザーからの回答を見る限り、プロバイダに求めるものでも、「ブロードバンドへの対応強化」や、いっそうの「高速化」を求める声が着実に増えている。また、今年は「Nimda」を代表にウイルスが猛威を振るったためか「ウイルス対策」を望む声も大きい。常時接続が普及すればするほどセキュリティに対する要望は高まるだろう。
だが、やはり一番に求められているのは料金の値下げ。しかしフレッツの場合、プロバイダ料金がどんなに安くてもNTTの料金が安くならなければユーザーが支払う総額は安くならない。本アンケートでもNTT以外のADSL回線を希望する声は多かった。電話代やフレッツシリーズの料金など、プロバイダの力では如何ともしがたい部分もあるので、NTTの値下げに期待したい。
今後プロバイダに求めるもの
要望 |
比率 |
料金の値下げ |
83.6% |
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通信速度の高速化 |
66.3% |
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セキュリティや個人情報保護の強化 |
46.6% |
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ウイルス対策サービス |
46.4% |
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ブロードバンドの対応強化 |
46.0% |
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回線をつながりやすく |
44.1% |
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通信品質の向上、トラブルの減少 |
40.4% |
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アクセスポイントの充実 |
23.5% |
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サポート体制の強化 |
21.4% |
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継続的なサービスの提供 |
19.1% |
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電子メール環境の充実 |
17.2% |
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ホームページ作成環境の充実 |
13.9% |
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家族向けサービスの拡充 |
11.8% |
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モバイル環境の充実 |
10.8% |
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コンテンツ/コミュニティの充実 |
10.3% |
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統合淘汰の時代を反映してか「継続的なサービスの提供」を望む声も大きい。合併によるメールアドレス変更なども面倒だ
驚いたことは、10Mbps以上を望んでいるユーザーが46.8%と全体の半分近くいることだ。現時点でこの速度を実現するためには光ファイバーしか手段がない(一部のCATVで対応予定)。しかし現実には、このような高速性を必要とするコンテンツは皆無に等しいといえるだろう。切実な必要性を感じて、というよりはスペック偏重が垣間見える。それとも、一度ブロードバンドを経験してしまったら、より速さを求め続ける通信速度のインフレなのだろうか?
その一方で、1.5M〜3Mbpsと回答する人が合計で29.6%もいるあたり、現実を直視した堅実派も多くいるということだ。現状のコンテンツを見る限り、速度は3Mbpsもあれば十分だろう。
100Mbpsが10.3%、100Mbps以上を望むユーザーも12.1%もいる。最大速度を100Mbpsに設定したusenの戦略は正しかった!?
望ましい通信速度
現在のブロードバンドコンテンツを見る限り、100Mbpsというスペックは不要。22.4%の人が、将来を見越した回答を行ったととらえるべきか
「サポート状況」で、利用しているプロバイダのサポートについて聞いたところ、最も多い回答が「わからない」の46.9%。つまり、ノートラブルでやってきた幸せなユーザーが5割近くいるわけだ。ちなみに電話サポートは土日にトラブルに遭遇したユーザーが電話をする月曜日が込んでいるそうだ。また、値下げ競争が過熱しているブロードバンドの「料金とサービスの関係」を聞いたところ、「まだ高い」ので質を落としても下げてほしいというユーザーが5割近くいる。その一方で、質の向上を求める声もある。また、今回の満足度ランキングでも、ユーザーは料金より品質を重視する傾向が見られ、プロバイダも難しい対応を迫られるところだ。ユーザーとしても安さだけに目を奪われないよう気をつけたい。料金と品質のバランスを上手に取れるプロバイダを選ぼう。
ユーザーサポート状況
意外なのが、「平日の昼のみ」の27.3%。最近の大手プロバイダは、夜間や土日も電話サポートを行っているところが多い。ユーザーに周知徹底していない?
ブロードバンドの料金とサービス内容の関係についての考え
内容 |
比率 |
高すぎるのでサービス内容が多少悪くても値下げすべき |
47.2% |
現在の料金とサービス内容は適正なので問題ない |
25.2% |
もう少し料金が高くても、ユーザーサポートや通信品質の向上を |
11.8% |
安すぎるのでもっと適正な料金を徴収すべき |
0.5% |
わからない/その他 |
15.3% |
「安かろう悪かろう」を推奨するようなアンケート結果だが、実際にはそうしたプロバイダへのユーザーの評価は低い。フレッツの場合にはNTT料金も絡むので難しい問題だ
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