下の検証結果にある通り、ブラウザのバージョンが古いとサイトの表示も遅くなるのは確かだ。では、その速度差の原因は何か。
ブラウザにおいて、ページの表示速度を決める最も重要な部分は「レンダリングエンジン」と呼ばれる表示技術だといわれている。このレンダリングエンジンが、ブラウザのバージョンアップのたびに速くなっているというのだ。ちなみに、Windows用のIEには「Trident」という名前のレンダリングエンジンが使われている。また、Mac OS用のIE 5.0では「Tasman」と呼ばれるレンダリングエンジンが採用されている(旧バージョンの4.5に比べて50%以上も表示速度が向上したという)。さらにNetscapeは「Gecko」という軽快なレンダリングエンジンを搭載している。
オンラインだと混雑などの外的要因でテストの精度が落ちることがあるため、IT情報サイト「ZDNet Japan」のトップページをパソコンのハードディスクに保存。そのトップページの表示速度をWindows用IEの各バージョンで測定することにした。その結果は右の通りで、まさに噂通りだった。
ブラウザのキャッシュとは、一度見たサイトのデータをハードディスクに保存しておくことで、再び同じサイトを表示する際の速度を向上できる仕組み(または保存されたデータ)のことだ。サイトによっては、ページの表示に支障を来すらしい。
「Javaがうまく動かない」「頻繁に古いページが表示されてしまう」「画像が表示されない」といったトラブルが、キャッシュを削除することで確かに解消した。
IEのメニュー「ツール」→「インターネットオプション」を選んで現れる左の画面の「ファイルの削除」ボタンをクリックすれば、キャッシュを削除できる。
本誌79ページで「社内の私用メールはシステム管理者に監視されているらしい」という噂について問い合わせた住友金属システムソリューションズに再び話を聞いた。
──「社内でのサイト閲覧についてもメールと同じように、技術的には監視・記録が可能です。たとえば、弊社が用意しているようなツールを使えば、社員が見たサイトの履歴を取るばかりでなく、ブラウザ上で入力および送信したデータを記録・検閲したり、検索サイトで使ったキーワードを集計することができます。さらに、指定容量を超えるダウンロードの多いパソコンを特定することも可能になっています」
たとえば99年10月、米ゼロックス社で会社のパソコンからアダルトサイトを閲覧していたことが発覚し、従業員50人が解雇されたという有名な事件が起きた。会社のパソコンは個人の資産ではない。外部サイトへのアクセスは慎もう。
「2ちゃんねる」は、かつて西鉄バスジャック事件の犯人がこの掲示板で犯行予告宣言をしたりと、何かと話題の絶えないサイトである。
2ちゃんねるは今年5月に月間2億5000万PV(ページビュー:ページ閲覧数のこと)の突破を発表。そこで国内最大と目される「Yahoo!掲示板」を調べたが、PVは非公開とのことで比較不能に。続いて「ビデオリサーチネットコム」にあたったところ、Yahoo!掲示板は月間243万6000人、2ちゃんねるは241万4000人のアクセスがあったという(8月の調査結果)。
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掲示板の数はどうか。Yahoo!掲示板は1300カテゴリ内に100トピックが作れるように設計されており、また株式関係の掲示板も加えると最大利用可能数は13万5000となっている。一方、2ちゃんねるは、32カテゴリの下に「板(いた)」と呼ばれるサブカテゴリが358存在する。その中にスレッド(Yahoo!掲示板でいうところのトピック)が平均400あるから、合計数は約14万3200となる。
残念ながら、今回調査できたのはここまで。しかしながら海外では、話題ごとに分かれたフォーラムやメーリングリストが主流で掲示板はあまり利用されていないという。となると、日本最大の掲示板が世界最大といえるのではないか。少なくとも掲示板の数では2ちゃんねるは世界最大の可能性が高い。